2025年4月6日、アビスパ福岡対浦和レッズの試合がベスト電器スタジアムでおこなわれた。試合は、1-0で福岡が勝利した…

 2025年4月6日、アビスパ福岡対浦和レッズの試合がベスト電器スタジアムでおこなわれた。試合は、1-0で福岡が勝利した。福岡のフォーメーションは「3-4-2-1」のスリーバック。浦和は、「4-2-3-1」または「4-3-3」とも言えるフォーメーションで、中盤は三角形を組んできた。

■マテウス・サヴィオが「控え」に

 この試合を見る限り、浦和は右サイドバック(以後、SB)には関根貴大ではなく、前節の清水エスパルス戦(2-1で浦和勝利)同様、石原広教を起用してきた。さらに、左SBには長沼洋一を使っている。そして、マテウス・サヴィオを控えに回して、松尾佑介をスタメンで出場させた。
 この試合でもはっきりとしていることだが、SBの選手の物足りなさだ。特に、現代サッカーにおいては、攻撃と守備のキーマンとも言えるSBの選手の問題は、チームにとってマイナス要因でしかない。
 相当に厳しい言葉になってしまったが、もし、他チームのプロのコーチが浦和のSBのプレーを見たならば、「あそこは穴だな」と見るだろう。それだけSBの人材難の問題は大きい。何が問題なのかを、この試合の中のプレーを見て解説したい。

 試合を詳細に分析するために、試合のダイジェストにしたがって話を進めていく。読者の皆さんは、以下のDAZN公式ハイライトを見て、プレーの詳細部分を確認してほしい。https://www.youtube.com/watch?v=Q8hT8lOmvwU

■予想していなかった「ロングパス」

【9分のシャハブ・ザヘディのシュート場面】
 左ストッパー(以後、SP)の志知孝明からFWシャハブ・ザヘディへロングパスが通る。ゴール左端にシュートが外れる。この場面は、浦和のセンターバック(以後、CB)2人が、志知がキックを蹴ってくるとは予想もしていなかった。
 なおかつ、蹴られたときに、ダニーロ・ボザかマリウス・ホイブラーテンのどちらが相手FWにつくのかに迷いがあったので、2人はザヘディに置いていかれて、後追い状態になったのである。本来なら右CBのボザがマークしないとならないのだが、CBの2人はおそらくザヘディを見ていなかったのだろう。だから、フリーにさせたのである。得点が入らなくて、浦和に取っては救われた場面だった。

【14分の安藤智哉とチアゴ・サンタナのマッチアップの場面】
 右サイドでボールを受けたチアゴ・サンタナにCBの安藤智哉がプレスにいく。安藤を振り切ってシュートを放つサンタナ。しかし、ゴールキーパー(以後、GK)の村上昌謙にセーブされる。
 最後はサンタナにシュートを打たれた安藤だが、粘ってしつこく密着マークをしたので、サンタナが余裕をもってシュート体勢に入れなかった。したがって、シュートしたボールがGKのほぼ正面になってしまった。
 ペナルティエリアの中だと、CBに背中を向けられてボールをキープされると、CBはファールになるかもしれないと考えて怖くなり、強くは行けない。しかし、安藤はサンタナに密着して厳しくプレッシャーをかけていたので、これくらいのディフェンスをされると、簡単には自由にプレーができない。
 そうした中でも、振り切ってシュートにもっていったサンタナはレベルが高いと言えるだろう。
 続いては、16分のサンタナのシュート場面を見ていこう。

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