【明治安田J1リーグ 第8節 東京ヴェルディvsFC東京2025年4月2日19:03キックオフ】 撮影/原壮史(Sony α-1使用)■先制されるも…「ドイツ帰りの男」が同点弾 ヴェルディがJ1に復帰した昨年は、2…

【明治安田J1リーグ 第8節 東京ヴェルディvsFC東京 2025年4月2日19:03キックオフ】 撮影/原壮史(Sony α-1使用)

■先制されるも…「ドイツ帰りの男」が同点弾

 ヴェルディがJ1に復帰した昨年は、2戦とも引き分けに終わった東京ダービー。今シーズン最初の激突は、ビッグマッチながら、あいにくの平日開催となったが、2万6865人が両者のホーム・味スタに駆けつけた。
 選手入場時、FC東京サポーターはQRコードを掲出。行き先はYouTubeで、昨年4月のダービーで90+4分に遠藤渓太が同点ゴールを決めた場面と、一昨年の天皇杯で実現したダービーでPK戦を制した場面。うかつに読み込んでしまったヴェルディサポーターに嫌な記憶を思い出させる仕掛けとなっていた。
 試合は立ち上がりからFC東京がボールを持つものの、ヴェルディはポイントをしっかりと潰して攻撃力を発揮させず。FC東京で育った平川怜も、得意なパスでの組み立てだけでなく、守備面でも奮闘を続けた。
 迫力のある攻撃を展開するには至らないFC東京に対し、ヴェルディは勢いと強引さを見せ、積極的な縦への姿勢でゴールに近づくようになっていった。
 20分に林尚輝のヘディングが決まり、ヴェルディが先制に成功。その後も、ボールを持つFC東京とカウンターのヴェルディ、という構図は続き、ヴェルディの狙った展開となった。しかし43分、高宇洋がロングボールで一気にラインの裏を突くと、飛び出した「ドイツ帰りの男」佐藤恵允がゴールを奪い、1-1に。

■思わぬ形での「1点ビハインド」

 それまで見せていなかった形で同点に追いついて前半を終えたFC東京だったが、後半立ち上がりにまさかの失点。ヴェルディの攻撃を防いだ流れでボールを持ったGKの野澤大志ブランドンがプレスに掛かり、交錯した染野唯月がボールをゴールへ押し込んだ。
 思わぬ形で1点ビハインドとなってしまったFC東京だったが、不幸中の幸いは、これが終盤ではなく、52分という早い時間だったこと。精神的ダメージの大きな失点シーンとなってしまったものの、折れることなく反撃に集中することになった。
 ヴェルディはFC東京の攻撃を跳ね返す際に木村勇大へのロングボールを選択するが、木村誠二がそれを簡単に収めることを許さず。カウンターからのチャンスもあったものの、野澤大志ブランドンのたび重なる好守もあり、FC東京の反撃ムードが停滞することがないまま、時間が流れていった。
 マルセロ・ヒアンや北原槙、仲川輝人といった攻撃的な選手を投入し、最後まで攻め続けるFC東京。惜しいシーンは少なくなかったが、ヴェルディがゴールを許さないまま終盤に突入した。
 そして試合終了が見えてきた89分、エンリケ・トレヴィザンが頭で決め、ついに2-2に。勝ち点1を分け合った。試合終了の笛が響くと、昨年から3戦連続となったドロー決着に対し、ダービーにふさわしい熱戦だったとはいえ、両チームのサポーターはブーイングを選択。ダービーは勝利あるのみ、という姿勢を明確にした。リーグ戦での次の東京ダービーは9月中旬の第29節。次こそ決着となるか。

■試合結果

東京ヴェルディ 2-2 FC東京

■得点

20分 林尚輝(ヴェルディ)

43分 佐藤恵允(FC東京)

52分 染野唯月(ヴェルディ)

89分 エンリケ・トレヴィザン(FC東京)

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