◆競泳 日本選手権第1日(20日、東京アクアティクスセンター) 世界選手権(7月、シンガポール)の代表選考を兼ねた100回目の日本選手権が開幕。女子200メートル個人メドレー決勝は、パリ五輪代表の成田実生(18)=ルネサンス金町=が2分9秒…
◆競泳 日本選手権第1日(20日、東京アクアティクスセンター)
世界選手権(7月、シンガポール)の代表選考を兼ねた100回目の日本選手権が開幕。女子200メートル個人メドレー決勝は、パリ五輪代表の成田実生(18)=ルネサンス金町=が2分9秒68で2連覇を達成した。池江璃花子(24)=横浜ゴム=の高校記録を約8年ぶりに塗り替えた。淑徳巣鴨高、そして昨年からは国内の同じ練習クラブの先輩にもなった憧れの池江に“恩返し”の記録更新と代表入りを決めた。最終日の400メートル個メでは2冠を目指す。
憧れを超えた成田に笑顔がはじけた。200メートル個メ決勝は、接戦を制し2連覇。2017年1月の池江を0秒30上回る2分9秒68の高校新記録は、高校生最後のチャンスでつかんだ。「池江選手というのはすごく大きくて、ずっと目標にしていたところを達成できた。うれしい気持ちでいっぱい」。レース後は淑徳巣鴨高の先輩に「実生、おめでとう~」とお祝いのハグももらった。
前半は昨年のパリ五輪選考会で敗れた松本信歩(東京ドーム)にリードされたが、平泳ぎで逆転。「今日はよく体が動いてくれた」と最後まで必死に逃げ、雪辱した。この種目は高校1年時に2分10秒27、昨年に2分10秒11をマークしていたが、ついに2分10秒の壁を突破。4月から明大に進む18歳は「ラストチャンスでつかみ取れた」と、胸を張った。
昨年4月、所属が金町SCからルネサンスに。池江が拠点の豪州から帰国した際には練習をともにすることもあり、年始には隣り合わせで競い合ったという。「負けてしまったりするけど、目標としている選手と一緒に泳げたというのはすごくいい経験だった」。100メートルバタフライで代表を決めた池江はこの日、自身のレース前に「私が先に決めてくるから」と宣言。成田は「すごく気合を入れてくれる言葉がけをしてくれる」と、先輩の背中に続いた。
23年世界選手権でデビュー以降、400メートルではパリ五輪と2年連続で決勝進出。東京五輪2冠の大橋悠依が昨年引退し、女子個人メドレーをけん引する存在となった。400メートルとの2冠を目指すとともに、夏の戦いを見据える今大会。「1年ぶりに世界と戦う。200メートルは決勝ラインも高い。前半が飛び出せないところとかもあるけど、大学生にもなるので。自分からという気持ちで、目標達成に向けて頑張りたい」と、頼もしさを漂わせた。(大谷 翔太)
◆成田 実生(なりた・みお)2006年12月18日、東京・葛飾区生まれ。18歳。常盤中から淑徳巣鴨高に進学。ルネサンス金町所属。22年3月の国際大会代表選考会女子400メートル個人メドレーで、当時の世界ジュニア記録4分36秒71をマーク。同年9月の世界ジュニア選手権3冠。23年4月の日本選手権で19年ぶりに高校生で女子個人メドレー2冠を達成。7月の世界選手権で400メートル8位入賞を果たし、24年パリ五輪は6位入賞。160センチ。
◆世界選手権代表選考 個人の各種目で、日本選手権で派遣記録を上回り、上位2人に入れば日本代表に内定。今大会は日本水連がこれまで独自に設けてきた派遣標準記録から基準を下げ、世界選手権の参加標準記録を派遣記録として採用。