◆相撲(15~16日、高知・春野総合運動公園相撲場) 「静岡商」の看板を背負って全国に挑む。福里豪志(3年)が、無差別級の県王者として土俵に上がる。「1勝ずつ積み重ねていきたい」。昨年は100キロ未満級に出場し、土俵際の微妙な判定で初戦敗退…

◆相撲(15~16日、高知・春野総合運動公園相撲場)

 「静岡商」の看板を背負って全国に挑む。福里豪志(3年)が、無差別級の県王者として土俵に上がる。「1勝ずつ積み重ねていきたい」。昨年は100キロ未満級に出場し、土俵際の微妙な判定で初戦敗退。1年前のリベンジを果たす。

 かつて何度も全国出場した同校相撲部だが、2年前まで休部状態だった。一昨年4月、やいづ少年相撲クラブ出身の福里ら現在の3年生3人が入学したものの、学校側から部として認可されず。学校関係者によると現在は「同好会」という名目で活動している。

 顧問不在のため火、木曜の校内での練習はOBが指導にあたる。「ほかの平日は焼津のクラブで稽古し、土日は県内の高校などへ出稽古に赴くこともあります」という。そんな厳しい環境でも福里は結果を残した。昨秋の県大会で巴(ともえ)戦による優勝決定戦を制し、上位3人に与えられる全国切符をつかんだ。

 中大でアマ選手として活躍し、今は行政書士として働く父・紳太郎さんの影響で3歳の頃に相撲を始めた。姉・愛美(静岡県立大4年)は、全国タイトルをいくつも持つ女子の第一人者。母・由美子さんも以前、元日女子相撲大会に出場して1勝するなど、相撲一家に育った。左前みつを奪い、相手に食いついて攻めるのが持ち味。中学2年の頃、47キロだった体重は1年間で約30キロ増えた。「全中で負けて目覚めた」。筋トレや食事を意識して急成長を遂げた。

 「静商」の名前を全国にとどろかせる。「伝統校を復活させたい」との思いで進学を決めた福里。「静岡商相撲部」復部という願いは惜しくも、かなっていないが、応援してくれる相撲部OBの思いを胸に高知へ向かう。

(塩沢 武士)

 ◆福里 豪志(ふくざと・つよし)2007年4月17日、焼津市生まれ。17歳。3歳の時に相撲を始めた。大村中2年時に団体戦で全国中学体育大会に出場。好きな力士は横綱・豊昇龍。家族は両親と姉。171センチ、100キロ。