◇米国男子◇ザ・ジェネシス招待 3日目(15日)◇トリーパインズGC サウスコース(カリフォルニア州)◇7765yd(パー72)左手前のピンに向けて放った3打目は無情にも手前に戻ってきた。18番(パー5)、最終ホールで痛恨の池ポチャ。リー…

首位から臨む6度目の最終日、初勝利を目指す(Michael Owens/Getty Images)

◇米国男子◇ザ・ジェネシス招待 3日目(15日)◇トリーパインズGC サウスコース(カリフォルニア州)◇7765yd(パー72)

左手前のピンに向けて放った3打目は無情にも手前に戻ってきた。18番(パー5)、最終ホールで痛恨の池ポチャ。リードを失いそうな場面で、パトリック・ロジャースは耐えた。ドロップゾーンからの5打目をピンそば1mにつけてボギーで上がり「68」。通算8アンダーの単独首位で54ホールを終え、「(3打目は)うまく打てたと思ったから残念だったけれど、寄せワンに胸を張りたい」とうなずいた。

1992年生まれの32歳はツアーでいまだ勝利がない。アマチュア時代は将来を嘱望された飛ばし屋であり、スター選手だった。3年間在学したスタンフォード大では大先輩のタイガー・ウッズが記録した通算11勝に並び、2014年の初めには世界アマチュアランキング1位に君臨。プロ2年目の15年に米下部ツアーで初勝利を挙げた。

レギュラーツアーに定着した16年以降、何度も逃してきた初優勝のチャンス。17年にここトリーパインズGCで行われた「ファーマーズインシュランスオープン」を手始めに、過去に5回、首位で迎えた最終日に散った。

「もうプロで11年目。月日が経つのが、信じられないほどはやい。まだ僕は子どものようで、大学時代も少し前のことのようだ。でも現実は2人の子どもを育てている」。昨季は年間ポイントレース53位で秋季シリーズを終了。今週のシグニチャーイベント(昇格大会)への出場権も懸命に保持してシーズン序盤戦を過ごしている。

絶好のポジションで「期待を膨らませるのではなく、勝つために必要なプレーをしたい」と気持ちは穏やか。「アマチュアでの経歴から、(プロ転向後の)キャリアの初めはすごく期待されているように感じていた。勝てないまま、自分の在り方とばかり闘っていた。時間が経って、新鮮な気持ちでプレーできるようになった。ゴルフはチャンスに満ちていて、あしたも新しいゲームがあるから」

ロサンゼルスの山火事の影響で今大会は会場をリビエラCCから当地に変更。日曜日の18番のカップは、ファーマーズインシュランスオープン最終日恒例の左手前ではなく、「全米オープン」開催時と同じ右手前に切られる予定。「タイガーが勝った2008年、僕はテレビにかじりついて全米オープンを観た。間違いなくエキサイティングな最終ホール。きょうのようなことが起こるかもしれないし、スーパーショットでイーグルになるかもしれない」。ツアー通算287試合目。白星を掴む瞬間をじっと待つ。(カリフォルニア州サンディエゴ/桂川洋一)