<ノルディックスキー:ワールドカップ(W杯)ジャンプ男子>◇個人第23戦◇16日◇札幌市大倉山ジャンプ競技場(ヒルサイズ=HS137メートル)レジェンド葛西紀明(52=土屋ホーム)が26日開幕の世界選手権(ノルウェー)代表入りを逃した。予選…

<ノルディックスキー:ワールドカップ(W杯)ジャンプ男子>◇個人第23戦◇16日◇札幌市大倉山ジャンプ競技場(ヒルサイズ=HS137メートル)

レジェンド葛西紀明(52=土屋ホーム)が26日開幕の世界選手権(ノルウェー)代表入りを逃した。予選は108メートルで47位で突破。ギネス世界記録を更新する個人最多通算579戦目の出場を果たし、1回目に105メートルを飛んで45位で2回目進出を逃した。「今は消極的なジャンプ。失敗しないようにっていう守りのジャンプをした結果、ああいう風になっちゃった」と悔しがった。

今戦が5枠の日本代表を争う最終レースだった。選考はこの日までのW杯個人総合ランキング順で決定。日本勢では15日時点で小林陵侑、二階堂蓮、中村直幹までが確定し、4番手に小林朔太郎(20点)、5番手に佐藤幸椰(12点)、6番手に佐藤慧一(10点)と続いていた。

W杯ポイントは1位100点、2位80点、3位60点…28位3点、29位2点、30位1点と、順位によって決められたポイントが与えられる。葛西が世界選手権の代表に食い込むためには、少なくても19位以上に入って12点以上の獲得が必要だった。

前日15日は自宅で子どもたちと一緒に遊んで過ごした。14日の予選敗退に「悔しすぎて、ジャンプのことを考えられなかった」と競技から離れた。それでも、この日に備えて日課の朝夜のランニングは欠かさず。「めちゃくちゃムカついていたけど、悔しさをかみしめながら」と、気合を入れていた。

世界選手権は16歳だった89年にラハティ大会で初出場。17年ラハティ大会までの13大会連続で出場し、ギネス世界記録に最多出場として認定されている。4大会ぶりのカムバックが期待されたが、届かなかった。ただ、52歳でわずか10枠のW杯日本代表入りを果たし、世界トップが集まる大会で挑戦するレジェンドの姿は、世界を驚かせた。「自分のジャンプが安定し、いいジャンプしたら『やってやろう』って強い気持ちも生まれてくるけど、このくそジャンプだったらダメ」と、2連戦の結果に残念がった。【保坂果那】