<陸上:日本選手権20キロ競歩兼世界選手権代表選考会>◇16日◇兵庫・六甲アイランド甲南大西側20キロコース男子は世界選手権2度優勝で東京オリンピック(五輪)銅メダルの山西利和(29=愛知製鋼)が、10年ぶりに世界記録を更新する1時間16分…

<陸上:日本選手権20キロ競歩兼世界選手権代表選考会>◇16日◇兵庫・六甲アイランド甲南大西側20キロコース

男子は世界選手権2度優勝で東京オリンピック(五輪)銅メダルの山西利和(29=愛知製鋼)が、10年ぶりに世界記録を更新する1時間16分10秒で、4年ぶり3度目の優勝を飾り、9月に開幕する世界選手権東京大会の代表を決めた。

これまでは15年に鈴木雄介(富士通)が樹立した1時間16分36秒が世界記録だったが、26秒更新した。

山西は昨年のこの大会で失格となり、パリ五輪代表を逃した。前日会見では「目標は優勝。1度失っているのでこれまでの気持ちとは違う。いろんな経験をしてきた中で、次のステップに進めたら」とコメントしていた。

世界選手権東京大会代表は3枠で、今大会で日本陸連が定める派遣設定記録(1時間18分30秒)を突破して優勝した選手が即内定。次に優先されるのは「日本選手権3位以内で有効期間内に派遣設定記録を満たした者」とあり、事実上の一発選考だった。

山西は京都・堀川高時代に中距離から競歩に転身した。高3時に世界ユース選手権ウクライナ大会に日本代表で出場し、1万メートル競歩で優勝。全国高校総体でも5000メートルで大会新で制した。京大工学部物理工学科へ進学後、4年時の17年ユニバーシアード台北で金メダル。愛知製鋼入社後は、21年東京オリンピック(五輪)20キロで銅メダル。22年の世界陸上オレゴン大会では20キロで連覇を成し遂げている。

◆山西利和(やまにし・としかず)1996年(平8)2月15日、京都府長岡京市生まれ。堀川高1年時に競歩を始める。3年夏に世界ユース選手権1万メートルを優勝。京大工学部に現役合格し、卒業論文のテーマは「部分空間同定法を用いた信号の周波数推定」。19年世界選手権ドーハ大会の20キロ競歩を1時間26分34秒で初優勝。21年東京五輪は金メダル最有力候補と目されながら、終盤で失速して銅メダル。21年世界選手権は2連覇。昨年の日本選手権は失格となり、同年のパリ五輪出場を逃した。164センチ。