サッカーJ1に初昇格したファジアーノ岡山は15日、岡山市北区のJFE晴れの国スタジアムに昨季14位の京都サンガを迎えて開幕戦を戦い、2―0で初勝利を挙げた。チケットは早々に完売。スタンドを埋めた1万4575人がその瞬間を見届けた。 2得点…
サッカーJ1に初昇格したファジアーノ岡山は15日、岡山市北区のJFE晴れの国スタジアムに昨季14位の京都サンガを迎えて開幕戦を戦い、2―0で初勝利を挙げた。チケットは早々に完売。スタンドを埋めた1万4575人がその瞬間を見届けた。
2得点は新戦力が起点になった。前半20分過ぎ、横浜F・マリノスから加入したMF加藤聖は左サイドでボールを失ったが、粘り強く食い下がりコーナーキックを獲得。「奪われてもすぐ切り替えてプレッシャーをかけられた」。蹴ったボールは狙い通りにファーサイドへ曲がり落ち、DF田上大地がボレーで決めた。前半23分。加藤が「武器であり生命線」という左足のキックの精度がクラブのJ1初ゴールにつながった。
同36分には元日本代表のFW江坂任が貫禄を見せた。前線に飛び出したMF柳貴博に完璧なロングフィードを送り、柳が頭で折り返すと、FW木村太哉が倒れ込みながら2点目を決めた。江坂は「柳と目が合って、良いコンビネーションを出せました」と語った。
柏レイソルから加入のDF立田悠悟は191センチの長身をいかしセンターバックでフル出場して完封に貢献。昨季はJ2徳島ヴォルティスでプレーしたブラウンノア賢信は試合終了間際に投入され、アディショナルタイムにシュートを放った。
木山隆之監督は「相手の圧に押されていた時間帯に、はね返して1点取れたのが大きい。それで守りに入ることなく前へ出て2点目が取れたことが勝利に直結した」と話した。
次節は22日、昨季のJ2で2位だった横浜FCとアウェーで対戦する。(大野宏)
■「昇格プレーオフからの勢い続く」「新戦力に期待」
ホームのJFE晴れの国スタジアムはチームカラーの「ファジアーノレッド」に染まり、J1初陣に挑む選手たちを後押しした。2―0での勝利に、サポーターらは喜びを爆発させた。
前半23分にDF田上大地がゴールを決めると、会場は地鳴りのような歓声に包まれた。サポーター同士で抱き合って喜ぶ姿も。後半終盤は京都に押し込まれたが、GKスベンド・ブローダーセンを中心に堅守で切り抜けた。
玉野市の主婦片山幸子さん(52)は「昇格プレーオフからの勢いが続いていた」と笑顔。「新戦力の江坂任選手はプレーがうまくて、他の選手とはレベルが全然違った。ファジアーノにはJ1に残ってほしい」
岡山市の会社員小林拓矢さん(31)は、高校生の頃からのサポーター。「J1でどれだけ通用するか不安だったけど、少ないチャンスをしっかり決めてくれた」。無失点に抑えた守備も「(新戦力の)立田悠悟選手の動きが効いていた。まだ1試合だけど、こうしたゲームを続ければ、J1でも戦っていけるのでは」と期待を込めた。(上山崎雅泰)