開幕前日に降った雨で今週のトーリーパインズGCの深いラフは密集し、ハイロフトのフェアウェイウッドをバッグに入れる選手らが多いようだ。世界ランキング1位のスコッティ・シェフラーもそんな選手の一人だ。5番、7番、そして9番ウッドのように、ロフ…

世界ランキング1位のスコッティ・シェフラー(Maddie Meyer/PGA of America)

開幕前日に降った雨で今週のトーリーパインズGCの深いラフは密集し、ハイロフトのフェアウェイウッドをバッグに入れる選手らが多いようだ。世界ランキング1位のスコッティ・シェフラーもそんな選手の一人だ。

5番、7番、そして9番ウッドのように、ロフトが加えられたフェアウェイウッドは、低重心と全体的なヘッド容量ゆえに、同じ番手に相当するロングアイアンよりも高打ち出しとなる。通常、バッグには3番ウッドのみを入れるというシェフラーも今週はキャディのテッド・スコットによる助言で5番、7番ウッドをテストして初日に臨んだ。

同コースで開催された3週前の「ファーマーズインシュランスオープン」で、スコットは他の選手たちがいかに深いラフを攻略しているかをつぶさに観察した。高いボールを打ってトラブルから脱出する上で、ハイロフトのフェアウェイウッドが役立っていたため、彼はシェフラーに5番ウッドを試すよう勧めたという。そこで開幕3日前の月曜の午後、シェフラーはテーラーメイドのチームに、試しに使える5番ウッドをリクエストした。

開幕前にテストを試みた7番ウッド(GolfWRX)

シェフラーには意中に狙いのヤーデージがあり、その距離は245ydだった。それこそが、最も長いアイアンと3番ウッドのギャップを埋める距離だったのである。ただし、普通の5番ウッドでは255~260ydほど飛ぶため、距離が出過ぎるという問題があった。そこで、テーラーメイドのレップ、エイドリアン・リートベルドと彼のチームは、代わりにストロングロフトの7番ウッドを組み上げることにした。

シェフラーは組み上がったいくつかの7番ウッドを試し、最後はロフト角19.75度のテーラーメイドQi35フェアウェイウッドに落ち着いた。同社にとって、これは「コア」モデルであり、ボンドで接着されたホーゼル、藤倉コンポジット ベンタスブラック9Xシャフト(2インチ短縮)が装着され、長さは彼の3番ウッドより丁度1インチ短い41.5インチにセットされている。

水曜のプロアマでシェフラーに帯同して18ホールを歩いたリートベルドは、シェフラーがいくつかのパー3でこのクラブを使用し、かなりの効果を発揮したと指摘した。GolfWRX.comに対し、「シェフラーは245ydを打てるクラブを欲していて、それは5番ウッドではなかった。5番ウッドは255~260ydほど飛ばしますから。そこで私は7番ウッドあるいはストロングな7番ウッドを勧めたのです」。

続けて、「我々はQi35のツアーモデルとコアモデルを組み上げ、火曜のお昼くらいにテストしました。その上で、我々は彼と一緒に(水曜のプロアマで)コースに出ました。彼は私が思ってよりもはるかに頻繁に使ったので、驚きました。12番では、ラフから残り180ydで使い(グリーンに乗せ)ました。その後、同じ場所から4番アイアンで打ちましたが、50yd以内に寄せることはできなかった。7番ウッドで高打ち出しを実現していたのです。11番(225yd)と16番(227yd/いずれもパー3)でも使っていた。ラフからも、フェアウェイからも、パー3でもかなりしっくりきたようです」と述べた。

数字的に見ると、クリーンなライからであれば、シェフラーは新しい7番ウッドで11度に打ち出し、スピン量は4100~4200 rpm、最高点の高さは128フィートだった。リートベルドによると、3番アイアンに比べ、20フィートほど余分に高さが出ていたとのこと。

深いラフからボールを高く打ち出すというシェフラーの戦略は新しいQi35の7番ウッドで達成されたようだ。世界ナンバーワンプレーヤーが道具箱に新たな道具を加えた。ライバルよ、注意せよ。

(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)