13日(木)に開幕する「ザ・ジェネシス招待」はPGAツアーで年間8試合行われるシグニチャーイベント(昇格大会)のひとつ。ことしは1月に松山英樹が「ザ・セントリー」で優勝。ロリー・マキロイ(北アイルランド)は2週前の「AT&Tペブルビーチプ…

13日(木)に開幕する「ザ・ジェネシス招待」はPGAツアーで年間8試合行われるシグニチャーイベント(昇格大会)のひとつ。ことしは1月に松山英樹が「ザ・セントリー」で優勝。ロリー・マキロイ(北アイルランド)は2週前の「AT&Tペブルビーチプロアマ」に続く連勝をかけて戦う。PGAツアーのオリジナルコラムで自らの言葉でシーズン初勝利を振り返った。
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ゴルフの世界には聖地と呼ぶべき場所がいくつかある。ペブルビーチにオーガスタナショナル、セントアンドリュースはもちろん、他にもいくつか挙げられるだろう。各コースには歴史があり、ゴルフ界に影響を与えた選手たちが優勝してきたことが、それぞれのコースを意味のあるものにしている。
「AT&Tペブルビーチプロアマ」で勝つまで、僕のキャリアにはそういった場所でのタイトルはなかった。そのひとつ目をペブルで飾れたことが本当に素晴らしかった。僕はゴルフの歴史について詳しいと自負している。ペブルでの大会も、すべてを記憶していると言っていい。そのリストに自分の名前が加わったことが何よりも喜ばしい。
初日にホールインワンも達成した。自分にとってのPGAツアーシーズンの滑り出しとしてはこれ以上、望めない。去年の秋から調子は良いままで、今季を迎えられた。
最終日、3打リードで最終ホールに入れた。18番のティイングエリアで、世界一美しいホールのひとつを、楽しむ時間があったのは特別なことだった。プレッシャーを抱えることなく、左ドッグレッグをゆっくり歩いた。一緒に回ったシェーン(ローリー)がバーディを決めて、2位フィニッシュできたらいいと応援もしていたんだ。まさにそうなって、(自身の)キャディと勝利を分かち合えたのも最高だった。トロフィを掲げるのは僕ひとりだけれども、僕には自分を支えてくれる人がたくさんいる。
ペブルビーチには「全米オープン」とはまったく違う要素をテストされる。それでも、今の僕はあらゆるコンディション、コースセッティングに対応できると感じている。週末、特に第3ラウンドでは雨風の中で良いプレーができた。地面が硬かったり、軟らかかったり、風が吹いたり、穏やかだったり、雨だったり…。距離がたっぷりあるコースでも、短くても、求められるプレーをする準備をしているつもりだ。
経験が増たことで、より戦略的になり、以前よりも安全な狙いをとるようになった。ティショットで選ぶクラブもリスクが少ないものを選んでいる。もうひとつ、向上した点はショートゲーム。昨年は良い週と悪い週とで出来がはっきりしていて安定感がなかったが、ペブルビーチでは最終ラウンドのように1番で寄せワンを決められて、その後のプレーをうまく進めることができた。

最近はスコッティ・シェフラーをとても参考にしている。いろんな理由があるけれど、彼の一貫したプレーぶりを見て、彼から学ぼうとしている。スコッティは昨年すさまじい成績を残した。仲間の一人がああいったシーズンを送れば、彼がいかにして他選手に差を付けたのかに目を向けざるを得ない。僕はコースで感情が高ぶってしまうタイプだが、スコッティにはそういった様子が見られない。彼のように規律を守ったプレーをしないといけないね。
僕は常に自分のベストを引き出そうと考えている。自分の能力を最大件に発揮して、これまでやってきたことを引き上げられれば、結果的に、世界ランキングやPGAツアーでの勝利もついてくるはずだ。スコッティはここ数年で最高の選手。僕も彼に近づいている実感がある。それこそがもう一度、世界一になりたいというモチベーションにつながっている。
僕自身の課題は精神面にある。身体能力に恵まれ、ボールをより遠くに飛ばすことで、他の選手にはできないようなプレーもしてきたが、メンタルや思考プロセスが足かせになっていた。それが僕を、“素晴らしい選手”ではなく、“良い選手”にとどめている理由でもある。
だから今は毎日、規則正しく生活することを心がけている。しっかり睡眠をとって、正しい食生活を送り、練習をしてしっかり回復もする。そしてゴルフから離れる時間をつくる。そう過ごしてこそ、どんな状況にも対処できる準備を整えられると思うんだ。