◇米国男子◇WMフェニックスオープン 3日目(8日)◇TPCスコッツデール スタジアムコース(アリゾナ州)◇7261yd(パー71)空が赤く染まった前日の夕方、居残り練習を終えた松山英樹はスマートフォンを見て安どした。予選カットライン上で…

薄氷の予選通過が「65」につながった(Andy Lyons/Getty Images)

◇米国男子◇WMフェニックスオープン 3日目(8日)◇TPCスコッツデール スタジアムコース(アリゾナ州)◇7261yd(パー71)

空が赤く染まった前日の夕方、居残り練習を終えた松山英樹はスマートフォンを見て安どした。予選カットライン上でプレーを終えてからしばらくのこと。「通ったかな」と決勝ラウンド進出を確信して帰路に就いた。そして一夜明けたこの日、62位から出た第3ラウンドで「65」をマークして通算8アンダー。19位に浮上して最終日を迎える。

ムービングデーのプレーは裏街道。出だし10番で2打目をピンそば1mにつけてバーディ発進すると、第2打をグリーン左手前のバンカーに運んだ13番(パー5)で2つ目を決めた。きのう、ティショットを左の池に突っ込んだ17番(315yd)は同じ3Wで1オンに成功。「ミスはミスですけど、(ドローの曲がり)幅がきのうの半分くらいで良かった」と2パットでバーディ。18番も1Wで、前日に捕まった左の池を避け、きっちりフェアウェイをとらえた。

初日から苦しんだショットの修正が効き、「きのうまでに比べたら安定して、その後のアイアンも繋がった感じがあった。ストレスは半分くらいになりました」と言う。後半3番(パー5)ではアイアンで2オンに成功、4番(パー3)はバンカーからチップインで2連続バーディを決めるなど、“らしい”見せ場を作った。

8番のスーパーショットは「最近、なかった選択肢のひとつ」だと納得した。フェアウェイから残り137ydの2打目で素直にフェードボールを放ち、奥からスピンで戻してピンそば80㎝につけた。最終9番で2mのパーパットをきっちり沈めたことで、最終日は通常の1番からスタートできる。

2016、17年に優勝した本大会は、左手痛で途中棄権した18年を除いてすべて4日間戦った。週末を残してコースを去れば、日々の取り組みを試す機会を失ってしまう。プロ13年目、PGAツアー12年目のキャリアがあっても、「(予選を)通るって大事だなと改めて思います」と実感した。

開幕戦「ザ・セントリー」で優勝し幸先いいシーズンの滑り出しを見せた後は、「ソニーオープン」16位、「ファーマーズインシュランスオープン」32位、「AT&Tペブルビーチプロアマ」48位と、成績が下降線をたどっているのも事実。3日目を終えて10位タイの選手とは2打差。「できるだけ伸ばして、ムダなボギーがないようにしていきたい」と口元を引き締めた。(アリゾナ州スコッツデール/桂川洋一)