佐賀県武雄市と嬉野市をホームタウンとする、県内初のプロ野球チーム「佐賀インドネシアドリームズ」が、独立リーグの「ヤマエグループ九州アジアリーグ」参戦2年目を迎え、球団名を変更した。新しい球団名は「佐賀アジアドリームズ」。2025シーズンの…
佐賀県武雄市と嬉野市をホームタウンとする、県内初のプロ野球チーム「佐賀インドネシアドリームズ」が、独立リーグの「ヤマエグループ九州アジアリーグ」参戦2年目を迎え、球団名を変更した。新しい球団名は「佐賀アジアドリームズ」。2025シーズンの初戦は3月29日、武雄市のひぜしんスタジアム(武雄市民球場)で宮崎サンシャインズと対戦する。
ドリームズはもともと、インドネシアのナショナルチームが母体で、アジアの野球途上国などの代表選手らが中心となっている。1月23日に記者会見した山下翔一GMは「アジアと世界の架け橋を佐賀からということは佐賀出身者としてすごく意義がある」と述べた。また、「アジアに野球を広めていく球団としての覚悟を込めて改名した。各国の野球連盟と連携しやすいという戦略的な意味もある」と述べた。
ヤマエグループ九州アジアリーグでは、昨季に続いて準加盟で戦う。昨季は公式戦16戦全敗だったが、シーズン終了間際のオープン戦で、公式戦のリーグ戦では優勝の北九州下関フェニックスを相手にプロチームから初勝利を挙げた。今季は昨季の16試合から8試合増えて24試合になる。
選手は半分ほどが入れ替わる方向だ。1月23日現在では、インドネシア、スリランカ、フィリピンがそれぞれ4人。ベネズエラ1人、日本7人。今季から新たに加わる国はパキスタン2人、カンボジア2人、ドイツ1人。
パキスタンから入団する1人は、身長2メートルクラスで140キロの速球が武器の本格派右腕という。昨年に続きチームの指揮をとる香月良仁監督は「将来的に自国の大谷翔平選手のようになってくれれば、各国の野球人気に火が付くのでは」「去年は公式戦で1勝もできなかった。まず勝つこと。戦力も充実してきている」と語る。地元に、自分たちの県のチームだと覚えて応援してもらうだけでなく、「僕らが地域を積極的に応援していくチームづくりをしたい」
昨シーズンも、地域のイベントに積極的に参加し、ボランティアで農作業を手伝うなど、交流を深めてきた。
山下GMが、スポーツクラブ運営の関係者と議論すると、日本人主体のプロチームはファンとの間に線を引きがちと言われるという。「この多国籍チームは、人と人との垣根をつくらない。境界がとけていく。すごい良さの一つだと思います」
今後、今月末ごろに海外選手が来日し、嬉野市内で共同生活に入る予定だ。3月23日に嬉野温泉駅前で体制発表会を行い、同月29日から31日には、宮崎サンシャインズとの公式戦3連戦を迎える。(三ツ木勝巳)