◇米国男子◇WMフェニックスオープン 事前(5日)◇TPCスコッツデール スタジアムコース(アリゾナ州)◇7261yd(パー71)松山英樹はPGAツアーの長いキャリアでパッティングと格闘してきた。ショット、とりわけアイアンでピンを狙う際の…

◇米国男子◇WMフェニックスオープン 事前(5日)◇TPCスコッツデール スタジアムコース(アリゾナ州)◇7261yd(パー71)
松山英樹はPGAツアーの長いキャリアでパッティングと格闘してきた。ショット、とりわけアイアンでピンを狙う際の精度が高く、バーディパットの機会を他選手よりも多く作る分、チャンスを外すシーンが“悪目立ち”する。だが開幕戦「ザ・セントリー」を制したツアー12年目のパフォーマンスはここまで、過去のデータを覆す充実ぶりだ。
パッティングのレベルを表す指標のストローク・ゲインド・パッティング部門で、昨年は全体121位の「-0.118」。キャリアで5番目に悪い数字だった。2020年の「-0.479」がワーストで、順位は170位。最も良かったシーズンは18年で「+0.132」の78位だった。

今シーズンはまだ4試合の出場ながら全体35位の「+0.544」をマーク。優勝したザ・セントリーの「+5.417」(出場選手中3位)が効いているが、2戦目「ソニーオープンinハワイ」は「+3.351」(同18位)。直近2試合は「ファーマーズインシュランスオープン」で「-0.232」(同46位)、「AT&Tペブルビーチプロアマ」で」「-0.255」(同44位)と平均以下を示すマイナスを記録したが、順位は失望するほどのものではない。
数値はさておき、松山本人に手ごたえがあるのが良いニュース。「パッティングは常に自分の課題ですけど、良い感じのときもあって、(最近は)悪くなっても早いうちに良い状態の近くまで戻せている。入る、入らないという結果は別にして、良いフィーリングで打てている」と話すほどだ。

以前よりも、インパクトの前後でスピード感がそろった、振り子の様なストロークに近づいた。黒宮幹仁コーチとの取り組みに加え、「パターを替えたこと」も復調の要因の一つだと断言する。セントリーで投入したスコッティキャメロン製の黒いセンターシャフトモデル(009Mプロトタイプ)は、年末に知人が使うのを見て即座に手配したもの。「自分がやろうとしているストロークと一致したので。良いストロークの回数が増えたし、自分がズレたときにそれがすぐに分かって、(理想とする動きに)戻しやすくなった」
AT&Tペブルビーチプロアマでは別の黒いセンターシャフトモデル(クラフツマン)も登場し、長年愛用してきたクランクネックのシルバーのピン型を含め、練習中のキャディバッグはパター3本体制に。今大会開幕前は再びセントリーで使用したモデルを中心に調整を重ねた。「いずれは“ゲーマー”、エース(クランクネック)に戻すつもりでもいる。まあ、どちらでも良いんですけどね。両方使える状態も理想かもしれない」と松山。好感触をうかがわせた。(アリゾナ州スコッツデール/桂川洋一)