「ボクシング・4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(24日、有明アリーナ) WBO同級11位の挑戦者、金芸俊(32)=韓国=は、世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(31)=大橋=に4回2分25秒KO負け。試合後はコ…

 「ボクシング・4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(24日、有明アリーナ)

 WBO同級11位の挑戦者、金芸俊(32)=韓国=は、世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(31)=大橋=に4回2分25秒KO負け。試合後はコーナーに頭をつけ、号泣した。

 会見には左目下を青黒くした顔で登場した。「当然勝つ為にきたので、今の気持ちは屈辱的だと思っています」と表情を崩さず淡々と総括。井上のパンチについては「どうすればうまく当たるのかをよく知っている。研究よりも速くて強かった」と振り返り、4回、KO直前の「こい!」という挑発については「戦略として近づいてきたらパンチを打ちたかった」とカウンター狙いだったことを明かした。

 井上の強さを体感し、代役を引き受けたことには「負けたので後悔しています。半分冗談、半分本音です」と率直に明かした。

 会見中も氷で左目を冷やしながら、今後については「良い機会があれば、どこにでもいって試合がしたい。日本で招待してくだされば、日本での試合を臨みたい」と語った。

 決着は4回。しぶとく井上に食らいついたが、4回、井上のボディーから動きが止まった。それでも、自分のあごを指し、再び「来い」のジェスチャー。直後にそのあごに右ストレートを食らい、ダウンした。両膝をついたままもん絶すると、セコンドからタオルが投げ込まれて決着。敗戦に涙が止まらず、悔しさを隠せなかった。

 「トラブルメーカー」の異名を持つ金はこれまで対日本人7戦全勝の「日本人キラー」。昨年12月24日に戦う予定だったサム・グッドマン(オーストラリア)の2度にわたる左目負傷により1カ月延期となった上で、試合13日前に挑戦者変更で、金に白羽の矢が立った。

 韓国にとっては、WBC世界フェザー級王者だった池仁珍が07年7月に負傷により王座剥奪されて以来、17年6カ月ぶりの王座誕生の期待がかかった。世界戦での「日韓戦」は13年11月のWBA世界バンタム級王座戦で王者亀田興毅-挑戦者孫正五戦以来、11年2カ月ぶりだった。当時は亀田が判定で防衛に成功した。