第101回箱根駅伝で2年連続8度目の優勝を果たした青学大の原晋監督が23日、都内になる同大の青山キャンパスで取材に応じ、3月16日に行われる史上初の大学と実業団のトップチームが参加する「エキスポ駅伝」について、参加しない一部の実業団に苦言…
第101回箱根駅伝で2年連続8度目の優勝を果たした青学大の原晋監督が23日、都内になる同大の青山キャンパスで取材に応じ、3月16日に行われる史上初の大学と実業団のトップチームが参加する「エキスポ駅伝」について、参加しない一部の実業団に苦言を呈した。
今年のニューイヤー駅伝2位のホンダが参加しないことなどを念頭に「せっかく画期的な取り組みですよ、これ実業団と学生のガチンコ勝負。にも関わらず、実業団チームの上位チームが出ていない。特にホンダ。なぜ出ないのか。経営者の皆さん、なに考えてるんですかね。経営者に問いたいね。駅伝のためにあなた方、チームを作ったんでしょ?せっかく陸上界を、野球やサッカーじゃない、駅伝を盛り上げようと(しているのに)」と、残念そうに語った。
これまでも箱根駅伝の全国化などを提唱していきた原監督。駅伝の強化こそが世界に繋がる道だと強調し「それが結果として日本陸上長距離界のステージアップに繋がる。強化の一丁目一番地は僕は駅伝だと思うんですよ。世界を目指すんであれば、本当に世界で結果出してくださいよ。目指すのは誰でも目指せますからね。よく世界を目指すというやつはいるけど、じゃあ世界で結果出したやつは誰がいるんですか?それに対する反省があるんですか?ないわけですよ。目指すのは誰でもできる。それよりもまずは日本独自の文化、陸上競技、長距離の発展と強化の柱は駅伝なんですよ。そのために多くの実業団が存在しているんですよ。にも関わらず、大学駅伝チームと実業団チームがニューイヤー、箱根が終わった直後の多く国民のファンの皆さんが注目を浴びる時期に行われるこの駅伝に実業団上位チームが出てこないのはありえない」と、バッサリ。
「あなた方、長距離を本当にメジャースポーツにするという気構えがあるんですか?逆に経営者の聞きたいな。なんのために部を作ってるんですかって。日本の唯一の独自文化の運営方式ですよ、駅伝は。せっかく箱根駅伝盛り上がったのに、ニューイヤー駅伝盛り上がってないのはおかしな話なので、両輪で盛り上げていくことでもっともっと身体能力の高いアスリートが長距離を目指すようになる。結果として世界にチャレンジできるチャンスが生まれる。盛り上げていかないと、身体能力の高い子たちは長距離をやらない。世界からどんどん遠ざかる」と指摘し「トレーニングメソッドとか、雇用関係の仕組みは日本は世界ナンバー1ですよ。あとはいかに身体能力の高いアスリートが陸上に携わるかですよ。だったらメジャースポーツにしていかないといけない。完全生中継してくれる駅伝にそれもガチンコの実業団と学生が戦う画期的な初の取り組み、実業団、大学ともにどんどん盛り上げていくべき。これを僕は熱く語りたいし、優勝を狙いに頑張っていきたい」と語気を強めた。
大会盛り上げのためのリップサービス要素もあったようで「ボクシングの試合前のように盛り上げてるだけですからね?戦略がありますから。せっかく御堂筋を走れるんだから」と豪快に笑って取材を後にした。
大会には実業団はニューイヤー駅伝の上位チームなど、大学は昨年11月の全日本大学駅伝の上位チームなどに出場資格があり、実業団は旭化成、トヨタ自動車、GMOインターネットグループ、住友電工、富士通、安川電機、Kao、ロジスティード、実業団連合選抜の9チーム、大学は国学院大、駒大、青学大、創価大、早大、城西大、立教大、帝京大、関西学連選抜の9チームが出場する。