「大相撲初場所・12日目」(23日、両国国技館) 元幕内で東幕下51枚目の鳰の湖(山響)が靏林(木瀬)と対戦。押し出して4勝2敗とし、勝ち越しを決めた。 鳰の湖は豪栄道、栃煌山、妙義龍、勢らと同学年(昭和61年=1986年生まれ)で、いわ…

 「大相撲初場所・12日目」(23日、両国国技館)

 元幕内で東幕下51枚目の鳰の湖(山響)が靏林(木瀬)と対戦。押し出して4勝2敗とし、勝ち越しを決めた。

 鳰の湖は豪栄道、栃煌山、妙義龍、勢らと同学年(昭和61年=1986年生まれ)で、いわゆる「花のロクイチ」組。中卒たたき上げで、同期の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)の現役時代は、食事をともにするなど仲が良いことで知られていた。

 この日は立ち合いで押し込み、相手のはたきに構わず押し出した。38歳は「勝ち越せてうれしい。立ち合いが良かった」と喜んだ。二所ノ関親方は現役引退後に山響部屋に出向かれ、胸を出された思い出が「ありがたかった」と印象深い。新型コロナ前までは食事の機会も度々あったという。

 現役を続ける理由を「北磻磨の存在が大きいですね」と同部屋で同学年、同期の存在を明かした鳰の湖。ともに以前のように相撲を取る稽古は体力的に難しくなったが、トレーニングを工夫して調整。今場所は二人とも勝ち越しを決めた。

 「昔は北磻磨が勝つと、クソッ、自分も勝たないと、という気持ちでした。今は北磻磨が勝つとうれしい。自分が三段目に落ちて悩んだ時に相談したのも北磻磨でした。北磻磨がいなかったら、自分はもっと早くダメになっていたでしょうね。戦友ですね」

 滋賀出身。兵庫出身の北磻磨とともに次の地元、春場所には気合が入る。「応援してくれている方が多いので、その期待に応えられるよう頑張りたい。まずは残り一番に集中したい」と先を見据えていた。