「ボクシング・4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(24日、有明アリーナ) 世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(31)=大橋=と、挑戦者のWBO同級11位・金芸俊(キム・イェジュン、32)=韓国=が22日、公式会見…

 「ボクシング・4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(24日、有明アリーナ)

 世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(31)=大橋=と、挑戦者のWBO同級11位・金芸俊(キム・イェジュン、32)=韓国=が22日、公式会見に臨んだ。井上は当初、昨年12月24日にサム・グッドマン(オーストラリア)の挑戦を受ける予定だったが、相手が左目を負傷したため、1カ月延期。さらに今月に入りグッドマンが再び左目を負傷したため、11日に対戦相手が急きょ変更された。

 試合13日前に対戦が決まった両者は、この会見が初対面。ただ、金は韓国にトレーニングで来た尚弥のスパーリングを見学したり、韓国での試合も観戦するなど追ってきたと明かした上で、「今日初めて(尚弥の姿を)見たら、体が思ったより小さいと思ったが、(その分)心の強い選手だなと感じた」と率直な印象を語った。

 パウンド・フォー・パウンドで世界のトップに立ったこともある尚弥との対戦が決まり、「井上選手と試合をするのはすべての選手にとって光栄なこと。試合を絶対に楽に終わらせるつもりはない。最後まで(諦めない)自分の姿をみせるつもり。(戦術の)詳細は明かせないが、私のスタイルでKOする」と番狂わせを予告し、「井上選手も十分に準備して、1ラウンドからベストな姿をみせていただければ」と、チャンピオンに異例の要望をした。

 これを受け、尚弥は「もちろん1ラウンドから全力でとは考えているが、攻撃全面でいくのか、ボクシングIQを立てて全力で行くのかで変わってくるので、そこは自分は全力で(見極める)作業していきたい」と、相手の発言で自身のペースが揺らぐことはなかった。

 金は幼少期から施設育ちで、20歳で独り立ちを機にボクシングを始めた。過去日本選手とは7戦7勝と“日本人キラー”ぶりを発揮しており、「トラブルメーカー」という異名も持つ。金陣営のジョン・バスタブル・トレーナーは、尚弥との挑戦の話が急きょ舞い込んだことに「(金に)ライオンとスパーリングしてこいと言った。冗談だけど(笑)。(24日の)アンダーカードへ準備していたが、まさか井上尚弥と対戦するなんて思ってなかった」と戸惑いも明かしつつ、「金からも即答で『イエス』と。できるだけのことをやっていこうとお話をした。選手は最高の選手とやりたいという思いもあるし、トレーナーとしても最強の相手とやらせたい。止める手はなかった」と、千載一遇のチャンスに期待を込めた。