近鉄、中日などで活躍した中村紀洋氏が17日、自身のYouTubeチャンネル「中村紀洋のノリ流チャンネル」を更新。02年オフ、FA宣言をした際の舞台裏を明かした。 中村氏は02年オフにFA宣言し、メッツ、巨人、阪神からオファー。残留交渉した…

 近鉄、中日などで活躍した中村紀洋氏が17日、自身のYouTubeチャンネル「中村紀洋のノリ流チャンネル」を更新。02年オフ、FA宣言をした際の舞台裏を明かした。

 中村氏は02年オフにFA宣言し、メッツ、巨人、阪神からオファー。残留交渉した近鉄と4球団の争奪戦となった。

 前回の動画で金額の順について「巨人、阪神、メッツ、近鉄」としていた中村氏。交渉中は「手順を、自分なりに考えながらやっていた」と熟考していたというが、最初に脱落したのは巨人だったと明かした。「やっぱり答えがほしいと。前倒しで。『それは難しいですね』と。ジャイアンツが『この日までに返事下さい』と。それはちょっと無理です、と断りました」という。

 そして、近鉄残留の決め手についても言及した。残った3球団で「近鉄はないかなと。阪神さんにお世話になるのか、メッツに行くのか。その二択でしたね」と傾いていたという。だが、断りを入れようと近鉄の梨田監督、球団代表と食事していたところ「当時の代理人から連絡が来て、『テロップで流れてしまった。NHKのテロップで、中村紀、メッツ確定』と。僕は知らない話だった」と驚いたという。

 中村氏は「こっちは丁重にお断りしながら、近鉄さんお断りして、阪神さんにお断りしてメッツという形を取りたかった」と仁義を通すつもりだったが、この一件で急転。当時、阪神・星野監督からもすぐに「おめでとう」と電話が入ったというが、「星野監督からも熱い思いを頂いたので逆に申し訳ない。『まだ決まってません』」と返事をしたという。

 中村氏は「心の中に何か出てくるものがあったんですよ。今思えば、ビジネスにしておけば良かったなと。給料がいいところ、環境がいいところを考えれば良かったが」と振り返ったが、傾きかけていたメッツへの思いが白紙に。「日本人の最低限のマナーというか、恩を仇で返したらあかんと思っていたので、星野さんに『いや、近鉄に残留します』と。泣きながら星野さんと話した思い出があります」とやり取りを明かした。

 大阪出身で阪神にも思い入れがあったとし、「オファーをしてくれた人、阪神の社長さんめちゃくちゃいい人だったんですね。野崎さん」と感謝の思いも示した。