「大相撲初場所・8日目」(19日、両国国技館) “荒れる初場所”だ。上位3力士は全て平幕。十両から復帰の金峰山が、ただ一人ストレート給金を決め「きょうだったんですか。(感想は)ないです」とおとぼけモードで、最高の折り返しを決めた。 玉鷲と…
「大相撲初場所・8日目」(19日、両国国技館)
“荒れる初場所”だ。上位3力士は全て平幕。十両から復帰の金峰山が、ただ一人ストレート給金を決め「きょうだったんですか。(感想は)ないです」とおとぼけモードで、最高の折り返しを決めた。
玉鷲と激しく突き合い、土俵際に追い込んだ。相手のおっつけで体勢を崩したが、もろ差しから一気に寄り切った。「少し焦ったけど、焦っちゃダメと考えた」。冷静な対応力が光った。
昨年名古屋、秋場所とも4勝11敗で十両に陥落。慢性的な首痛に苦しんでいたが、九州場所では昼寝を削って1時間半をストレッチに充てることで改善。さらに本来の突き押しに徹することで十両優勝。幕内に戻っても勢いは止まらない。
木瀬親方は「突っ張ったら強い。十両に落ちて、いい勉強になった」と評価。「今は誰が優勝するか分からない。5年前は徳勝龍が優勝している」と不敵に笑った。
金峰山は新入幕の23年春場所は11勝で敢闘賞を獲得したが、以降は四つ相撲が増え迷走。四股、てっぽうと基礎的な稽古も増やし、復活した。金峰山は「右四つは自分の相撲じゃなかった。ずっと言われていたが調子に乗っていた」と反省した。
親方は「課題は精神面のスタミナ」と話す中、金峰山は「大勝ちしたい。12勝か13勝」と意欲満々。目標が上方修正されれば、伏兵の大化けも夢ではなくなる。
◇金峰山晴樹(きんぼうざん・はるき)本名バルタグル・イェルシン。1997年6月24日、カザフスタン出身。14歳から柔道を始め、元横綱朝青龍の紹介で18歳で来日し、日出高(現目黒日大高)3年に編入して相撲を始め、日大では全日本選手権2位、全国学生選手権3位。三段目付け出し資格を持って2021年九州場所で初土俵を踏んだ。22年秋場所新十両。23年春場所で新入幕を果たし11勝で敢闘賞を獲得。195センチ、178キロ。家族は両親と弟2人と妹。