阪神前監督の岡田彰布オーナー付顧問(67)が今秋ドラフト候補を自らの目で見極めるために、神宮球場に足を運んで大学野球を視察する予定であることが19日、分かった。球団サイドからの要請に対して、受諾する意向とみられる。母校である早大の後輩をは…
阪神前監督の岡田彰布オーナー付顧問(67)が今秋ドラフト候補を自らの目で見極めるために、神宮球場に足を運んで大学野球を視察する予定であることが19日、分かった。球団サイドからの要請に対して、受諾する意向とみられる。母校である早大の後輩をはじめ、大学野球界からチームに必要となる逸材を発掘するべく、神宮の杜で眼力を発揮していく。
猛虎のスターとなり得る大学生を、岡田顧問が神宮で直接視察することになりそうだ。今秋のドラフト会議に向けて、球団幹部は「岡田顧問には『神宮の試合を見に行ってほしい』とお願いしている」と明言。前向きに検討してもらえているといい、実現する可能性が極めて高い。
監督時代から岡田顧問は“スカウト力”を光らせてきた。夏には球場入り前に全国高校野球選手権を画面越しにチェックすることもしばしば。第1次政権前の2軍監督の時からスカウト登録しており、2003年のドラフトでは早大の後輩にあたる鳥谷の獲得に尽力し入団へ導いた。
岡田顧問が目を光らせることになる今年の神宮にも、東京六大学野球や東都大学野球を中心に有力選手が集う。明大の高須大雅投手(3年・静岡)、東洋大の島田舜也投手(3年・木更津総合)らがドラフト上位候補に挙げられる。
岡田顧問の母校・早大でも、エース右腕の伊藤樹投手(3年・仙台育英)らが注目株。阪神などがドラフト1位候補にリストアップしている創価大の立石正広内野手(3年・高川学園)は、昨年に続いて明治神宮野球大会出場を狙う。あまたの“金の卵”から岡田顧問が猛虎に必要な新戦力を見つけ出す。
神宮は岡田顧問にとって、早大時代の栄光が詰まった特別な場所でもある。東京六大学野球で3年秋に三冠王。通算打率・379と通算打点81は、大学卒業から45年たっても破られない、輝かしい記録になっている。
新設の肩書を背負うにあたって岡田顧問は、「ユニホームは脱ぐけど、違う立場でアドバイスとか、そういうことで手助けするというか」と責務を受け止めたが、今季も球春到来に合わせるように動き出す。21日には完成間近の2軍新施設を訪問し、新たなトレーニング環境をチェック。春季キャンプも第2クールの視察が決まった。
他球団のキャンプ地にも足を延ばす予定で、球団幹部は「セ・リーグを中心に見てもらいたい」と要望。“スカウト”に加えて、“スコアラー”としての手腕にも期待がかかる。新人発掘から敵情視察まで、常勝猛虎の構築へ岡田顧問に求められる仕事は多岐にわたる。
◆スカウト登録 スカウトとして登録しておけば、プロアマ規定に抵触することなく、スカウティングの現場で活動できる。ドラフト候補選手の視察や、プロ志望届を出した選手との面談などをスムーズに行うことが可能になる。中日の立浪前監督もスカウト登録をしていた。