大相撲の横綱照ノ富士が17日、両国国技館内で引退会見を行った。今後は照ノ富士親方として指導にあたる。 前日に引退決断が判明していた照ノ富士は「激しい相撲人生だった。できる限り尽くしてきたが、思い通りできなくなり、これ以上、土俵に立つべきで…
大相撲の横綱照ノ富士が17日、両国国技館内で引退会見を行った。今後は照ノ富士親方として指導にあたる。
前日に引退決断が判明していた照ノ富士は「激しい相撲人生だった。できる限り尽くしてきたが、思い通りできなくなり、これ以上、土俵に立つべきではないと思いました」と決断理由を説明。「初日に負けた後に師匠に言いました」とも明かした。
照ノ富士は初場所で3場所ぶりに復帰したが、初日に小結若隆景、4日目に翔猿に敗れ、5日目の16日に右膝と腰の痛みで休場。優勝回数は10度。親方となる条件となる日本国籍は2021年8月に取得している。
照ノ富士は膝痛に苦しみ、今場所はかばう動きにより腰も痛めた。声を詰まらせながら、「この体でも優勝できる自信はありましたが、場所前の体の状態、稽古内容に不安があり、こういう気持ちで土俵に立つべきでない思いはありつつ、最後までやることをやって限界を乗り越えたいと土俵に立ちましたが、結果につながらなかった」と振り返った。
伊勢ケ浜親方は「やれることは十分にやった。横綱になったこと自体が奇跡に近い。精神力は誰よりもある」と称賛した。
今後について、照ノ富士は「自分に嘘をつかない、自分に負けない力士を育てたい。そういう力士は必ず強くなると思うので」と意欲もみせた。
◆照ノ富士春雄(てるのふじ・はるお=本名杉野森正山)第73代横綱、伊勢ケ浜部屋。1991年11月29日生まれ。モンゴル・ウランバートル出身。鳥取城北高から間垣部屋に入門し、11年5月の技量審査場所初土俵。13年春場所後に転籍。初優勝の15年夏場所後に大関昇進。両膝のけがなどで19年春場所に序二段転落。再入幕の20年7月場所を制し、21年夏場所で大関復帰。日本国籍取得後の同年秋場所で新横綱。優勝10回。殊勲賞、敢闘賞、技能賞各3回。得意は右四つ、寄り。192センチ、176キロ。