阪神の岩崎優投手(33)が16日、静岡県の草薙球場で桐敷拓馬投手(25)と及川雅貴投手(23)、川原陸投手(24)、栄枝裕貴捕手(26)とともに「チーム岩崎」として自主トレを公開した。球団の生え抜きで最年長タイの左腕は、すでに藤川監督から…
阪神の岩崎優投手(33)が16日、静岡県の草薙球場で桐敷拓馬投手(25)と及川雅貴投手(23)、川原陸投手(24)、栄枝裕貴捕手(26)とともに「チーム岩崎」として自主トレを公開した。球団の生え抜きで最年長タイの左腕は、すでに藤川監督から守護神に指名されている。この日、中日OBの岩瀬仁紀氏(50)が野球殿堂入りを果たしたが、虎の背番号13も同氏の背中を追いかけていく。
白い雲から太陽が顔を出すと、静岡草薙球場は暖かい空気に包まれた。岩崎も笑顔いっぱいで楽しそうに体を動かす。キャッチボールにノック、きつそうなランメニューも全力で駆け抜けた。今年で34歳。円熟味の増す年齢にもなったが、一人のレジェンドの成績を聞くと声色が変わった。
岩瀬仁紀。NPB最多の1002試合登板、407セーブを誇る左腕は33歳シーズンの07年に61試合登板。08~13年までも6年連続で50試合に投げた。ベテランと呼ばれる域に達しても、タイトルを何度も獲得。その数字に奮い立った。
「勇気づけられるというか、まだまだやらなきゃいけないなというか。やれる人もいる。だから自分もやれるかもしれない。ちょっと頑張んなきゃいけないですね」
そんな虎の守護神と岩瀬氏を照らし合わせたのが藤川監督だった。同氏が殿堂入りしたという話題から「ウチにもいい左投手がいる。飽きずに、同じことをずっとやれる選手というのは岩瀬さんのようになれる」と岩崎の名前を挙げた。真面目にコツコツと。自主トレでも「感謝」と「挑戦」をテーマに掲げ、黙々と練習に打ち込む姿が印象的だった。
今季は11セーブを挙げれば、球団では指揮官以来の100ホールド&100セーブ達成となる。ただ、その記録も通過点に過ぎない。「100でも満足せずに、もっと上を目指してやっていきたい」。昨季は通算500登板を記録。節目の数字に一喜一憂することはなく、常に向上心を持ち続けている。
藤川政権でもクローザーという大役を任されることになった。そこに慢心はない。「逆に言ったら厳しい目で見られるとも自分は思っている」。目標は王者奪還。「やっぱり2位じゃ満足できないなって思った」。虎の背番号13が今年も最終回のマウンドに君臨する。