■「ヒップホップシーンの喧嘩のようだった」 年末の一大イベントであるクリスマスゲームにともない、NBAはレブロン・ジェームズ(…

■「ヒップホップシーンの喧嘩のようだった」


 年末の一大イベントであるクリスマスゲームにともない、NBAはレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)、ステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)、ケビン・デュラント(フェニックス・サンズ)の三者による豪華インタビュー映像を公開した。

 このコンテンツは“NBA OGs”と題され、『ESPN』の特別企画としてリリース。オールスター期間中の仲睦まじい姿はお馴染みだが、彼らがオフコートで膝を突き合わせて言葉を交わすシーンは貴重であり、同対談はティーザー公開時から大きな注目を集めていた。

 この三者と言えば、レブロンがクリーブランド・キャバリアーズ、KDがウォリアーズに在籍していた時代に数々の名勝負を繰り広げてきた。とりわけ、2015年から2018年までは4年連続で両球団がNBAファイナルで激突。2016年に自身の地元に悲願のタイトルをもたらしたキングは、当時の勢力図を以下のように振り返っている。

「4年連続でクリーブランド対ゴールデンステイト。文字通り、東海岸対西海岸のような構図だったな。ヒップホップシーンの喧嘩のようだった。ゴールデンステイトは西海岸を支配し、クリーブランドは東海岸を支配していた。ラップビーフのようとしか言いようがない」

「コートに立ち、このゲーム史上最高の選手と対戦する機会が与えられることを当然のことだとは思っていない。あと何回対戦できるかわからないからね、いつも楽んでいるよ」

■「彼らはいい奴らだけど、同時に残酷でもある」


 レブロンの「あと何回対戦できるかわからない」という言葉にも表れているように、現役のGOATたちに残されたキャリアは決して長くはない。それでも彼らが未だにNBAのトップスターに君臨し続けている理由は、圧倒的な労働倫理と目に見えない努力の賜物。デュラントは晩年となり、引退という出口が見えかけていたとしても、バスケットボールへの情熱は未だに冷めていないという。

「(俺たち3人は)今でも朝6時に起きて、ジムに通っている。毎日1000ショットを放つことを望んでいるけれど、何よりもまず、ゲームへの喜びと愛を持ち続けることが俺たち全員を突き動かしている。彼らがコートに立つ姿を見るたびに、その輝きを目にすることになる」

 時折笑顔を見せながら楽しそうに話す彼らだが、一度コートに立てば映像から垣間見えるフレンドシップには蓋をされ、その関係性はライバルへと変わる。デュラントはその事実をドライに言語化し、レブロンもKDの意見に同調した。

「彼らはいい奴らだけど、同時に残酷でもある。俺たちがこのレベルに留まっているのは、こうしたメンタリティを持っているからだ。NBAは弱肉強食の世界。自分のものを誰にも奪われたくない。悪い意味ではなく、コート上では友だちでいられないし、彼らを尊敬することもできないんだ」

 一方で、カリーは世代交代の波もひしひしと感じているようだ。新世代の台頭はNBAの血流を良くし、自身のパフォーマンスにも大きな刺激となっていると語る。

「毎年、新しいスタイル、フレッシュな若いエネルギーがやってきて、彼らに挑戦するんだ。でも、それが永遠に続くわけではないこともわかっているよ。彼らはこのゲームを楽しみ、その一瞬一瞬を楽しむ視点を与えてくれるような気がするんだ」

 レブロン、デュラント、カリーを突き動かすバスケットボールへの愛情。いつか現役生活に別れを告げる日が来ても、その思いの灯火が消える日は生涯やってこないのだろう。

文=Meiji

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