◆フィギュアスケート ▽世界選手権代表選考会 全日本選手権 第1日(20日、大阪・東和薬品ラクタブドーム) 男子ショートプログラム(SP)が行われ、11年ぶり出場の37歳、織田信成(大阪スケート倶楽部)は「マツケンサンバ」を演じ、84・53…

◆フィギュアスケート ▽世界選手権代表選考会 全日本選手権 第1日(20日、大阪・東和薬品ラクタブドーム)

 男子ショートプログラム(SP)が行われ、11年ぶり出場の37歳、織田信成(大阪スケート倶楽部)は「マツケンサンバ」を演じ、84・53点をマークし、上々のスタートを切った。キスアンドクライで涙を流した。

 「家族も見に来ていた。何より37歳で4回転を決めるぞと。それが成功できて嬉しかった。歓声が力になった。たくさん手拍子をいただき感謝。フリーも4回転に挑戦するので決めたい。自分も若い子の素晴らしさに負けないよう頑張りたい」と喜びを語った。

 演目の「マツケンサンバ」は自ら振り付け。「どの場面でも幸せになる」と渾身のプログラムで会場を大いに盛り上げた。4回転―3回転の連続トウループを着氷すると会場から大きな拍手。トリプルアクセルも降り、演技後はガッツポーズを作った。

 19日の取材では、自宅を出た際に子どもたちから「初めて『試合頑張ってな』って言われて・・・」とエピソードを明かすと、思わず涙があふれ、止まらず。「ちょっと待って、何で泣いてんの~」と自らツッコミ、前日から織田らしさがあふれた。

 2度目の現役生活も今季限りで引退を表明。次の21日のフリーが織田にとって本当のラスト全日本となる。最後は「ジャンプが決まろうが決まらないが、結果がどうであれ、やっぱり最高の笑顔で終われる大会にしたい」。一方で、大会前からこみ上げるものを抑え込んでおり、フリーでは「キスアンドクライはクライアンドクライになるかもしれない」と笑った。「泣けるぐらい自分に感動できるような演技がしたい」と意気込んでいた。

 織田は2010年バンクーバー五輪に出場。2013年に一度引退し、2022年11月、大阪市内での冬季国体派遣選手選考会で約9年ぶりに復帰を果たした。23年10月の西日本選手権では優勝も「復帰届」の手続き不備により全日本への出場がかなわなかった。