阪神・藤川球児新監督(44)が15日、高知県の春野総合運動公園野球場で野球教室に参加した。現役ドラフトで巨人から獲得した畠世周投手(30)について、中継ぎ起用とともに来春の1軍キャンプメンバー入りを明言した。チームで手薄な右の本格派リリー…

 阪神・藤川球児新監督(44)が15日、高知県の春野総合運動公園野球場で野球教室に参加した。現役ドラフトで巨人から獲得した畠世周投手(30)について、中継ぎ起用とともに来春の1軍キャンプメンバー入りを明言した。チームで手薄な右の本格派リリーバー。藤川監督は高く評価しており、僅差の場面など、勝ちパターンを任される可能性も出てきた。

 冬晴れの下、藤川監督はジャージー姿で子どもたちと触れ合った。「服装を見てもらったら分かる通り、高知県出身の野球選手として育てていただいた自治体への恩返し」。地元で充実感たっぷりの時間を過ごすと、現役ドラフトで宿敵・巨人から獲得した畠について、滑らかに口を開いた。

 「最初から名前が挙がっていた、一番ほしかった選手。候補の中に畠という選手を見た瞬間、うちにほしいと。僕が伝えたところ、球団と考えが一致したんでね。理由は右のリリーバーの頭数が足りていない」

 虎のブルペン陣は球界屈指だ。守護神・岩崎、ゲラ、桐敷、石井…。盤石の陣容に見えるが、右腕に限れば手薄に見えてしまう。今季台頭した岡留は変則で、昨年の現役ドラフトで加入した漆原は5ホールドを挙げたものの、1勝4敗と黒星が先行。本格派の佐藤蓮、椎葉も経験不足は否めず、畠に経験を求めた。

 「映像も見ましたけど、うちならうまくはまるんじゃないかと。経験している選手がほしかったのも事実ですから」

 畠は17年に先発で6勝の実績があるが「先発じゃなくて、中継ぎで」ときっぱり。来春1軍キャンプメンバー入りについては「もちろんです。戦力として考えていますから」と期待を膨らませる。

 現役時代から畠に注目しており、甲子園で躍動する姿もイメージできている。直球の最速は156キロを誇り、ウイニングショットのフォークも切れ味抜群だ。「甲子園で一番輝くだろうなと思った」。22年には甲子園で3試合に投げ、防御率2・25をマーク。昨年3月に右肘のクリーニング手術を受け、今季は1試合の登板にとどまったが、相性の良い聖地で復活を遂げる可能性は十分にある。

 「いかに僅差で相手と戦えるかがペナントではすごく重要になるので。非常に期待しています」と指揮官。僅差の場面など、勝利の方程式入りの期待も膨らむ。就任1年目のリーグ優勝へ、畠を“Vの使者”として迎え入れる。