◆スピードスケート◇全日本選手権第2日(14日、青森・YSアリーナ八戸) 女子500メートルは22年北京五輪銀メダルの高木美帆(TOKIOインカラミ)が37秒86で優勝した。今季W杯2勝の吉田雪乃(寿広)を0秒12上回った。 注目の対決は高…

◆スピードスケート◇全日本選手権第2日(14日、青森・YSアリーナ八戸)

 女子500メートルは22年北京五輪銀メダルの高木美帆(TOKIOインカラミ)が37秒86で優勝した。今季W杯2勝の吉田雪乃(寿広)を0秒12上回った。

 注目の対決は高木に軍配が上がった。最終組。最初の100メートルでの加速を生かし、残り400メートルを27秒28の好タイムで滑りきった。前の組で吉田がマークした37秒98を0秒12上回り、ガッツポーズも飛び出した。「久しぶりの中で38秒を切ることができて良かった。吉田選手はW杯の前半戦でも勝っている。そういう選手たちと国内で戦えるのはすごくモチベーションになる。その中で勝ち切れたことは次への糧になる」と笑顔を見せた。

 500メートルを滑るのは今季初めてだった。北京五輪の銀メダル種目だが、1500メートルと1000メートルを中心に出場種目を組み立てているため、滑る機会は限られている。だが、今季は21歳の吉田がW杯2勝と急成長。大会前には「チャレンジできるのは楽しみ」と直接対決を心待ちにしていた。

 これで来年1月からのW杯後半戦は500メートルでも代表権を確実にした。26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪は世界記録を保持する1500メートルでの悲願の金メダルが最大の目標だ。現時点での500メートルの位置付けについて「メダルに近い種目の一つ、という話はヨハン(デビットコーチ)から受けることはある。そういう考え方もできるんだな、と考えたりはするという段階」と慎重に語ったが、吉田の台頭に少なからず刺激を受けていることは確かだった。

 レース後には再びリンクに戻り、スケート靴の新しいブレード(刃)を試す場面もあった。15日に1000メートルを残している状況で異例の“居残り練習”について「自分の思考の幅(を広げる)というか、可能性があるんだったら、その後どうするかを考えるのにも生かせるかなと思った。明日に向けてというよりも、先を見据えて」と説明。五輪に向けた試行錯誤も忘れず、シーズンを過ごしていく。