オリックスは12日、広島から海外FA権を行使した九里亜蓮投手(33)と契約することで合意したと発表した。関係者によると、複数年契約で総額6億円程度とみられる。背番号は22に決まった。21年に13勝を挙げて最多勝に輝いた実績があり、17年か…

 オリックスは12日、広島から海外FA権を行使した九里亜蓮投手(33)と契約することで合意したと発表した。関係者によると、複数年契約で総額6億円程度とみられる。背番号は22に決まった。21年に13勝を挙げて最多勝に輝いた実績があり、17年から8年連続で100イニング以上登板してきたタフネス右腕。福良GMも「先発の層を厚くする」と大きな期待を寄せた。

 MLB挑戦の可能性があった九里がオリックスと電撃合意した。セ・リーグからさらなる活躍の場を求めてパ・リーグへ。経験豊富な右腕が、大阪の地に戦場を移す。

 タフネス右腕だ。プロ11年間で通算260試合に登板し、71勝67敗、防御率3・49。21年は最多勝のタイトルに輝き、直近では5シーズン連続で20試合以上に先発した。8年連続100イニング以上登板と貢献度も高い。福良GMもその点を評価ポイントに挙げた。

 「先発としてイニングも投げてくれるし、ゲームメーク能力が高い。あとは体の強さ、タフさもあって1年間ローテでしっかり回ってこられるというところですかね」

 交渉の席上で、九里は球団に「長くやりたい。1年しっかりローテで回りたい」と思いを語ったという。契約は複数年で総額6億円程度で結んだとみられ、25日に入団記者会見を行う。

 11月15日のFA交渉解禁日に今季までソフトバンクに在籍した石川に、3年5億4000万円プラス出来高相当の大型契約を提示したが、ロッテ、巨人、ヤクルト、ソフトバンクとの争奪戦が勃発。石川のロッテ移籍が決まったため、水面下で調査を続けていた九里に猛アタックをかけた。

 オリックスの先発陣は宮城を筆頭に曽谷、東、山下、田嶋、エスピノーザ、そして来季から先発に挑戦する古田島と、いずれも20代。そこに実績豊富な30代の九里が加われば、若手投手にも好影響を与えそうだ。

 今季の推定年俸は1億4000万円でBランクと見られるため、人的か金銭補償が発生する。福良GMは「現場と話しながら」プロテクトリストを作成すると明かした。昨年の西川に続いて2年連続で広島からFAで獲得。勝つための戦力補強に抜かりはない。

 ◆九里 亜蓮(くり・あれん)1991年9月1日生まれ、33歳。鳥取県出身。188センチ、97キロ。右投げ右打ち。投手。岡山理大付から亜大を経て、2013年度ドラフト2位で広島入団。プロ1年目の14年3月29日・中日戦(ナゴヤドーム)で初登板初先発初勝利。21年には13勝を挙げ最多勝を獲得。今季は初の開幕投手を務めた。通算71勝67敗、防御率3・49。