殻を破る!!広島の森下暢仁投手(27)が11日、マツダスタジアム内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、3500万増の1億6500万円でサインした。入団から5年連続での昇給となったが、9月の失速もあって右腕に満足感はなし。「キャリアハイ」を目…
殻を破る!!広島の森下暢仁投手(27)が11日、マツダスタジアム内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、3500万増の1億6500万円でサインした。入団から5年連続での昇給となったが、9月の失速もあって右腕に満足感はなし。「キャリアハイ」を目標に掲げ、今オフは体重を5キロ増やすことも含め、パワーアップを図る計画を明かした。(金額は推定)
会見場に現れた森下の体は一回り大きくなっていた。グレースーツの肩幅の部分もわずかに張っている。悔しさを持って過ごす今オフ。「筋肉量もそうですが、しっかりと体重も徐々に上げながら。今の体重から、5キロぐらい増えたらいいなというか」と変革への思いを口にした。
5年目の今季は23試合に登板して10勝10敗、防御率2・55の成績を残した。開幕から好調を維持し、8月20日・巨人戦(東京ド)で早くも10勝に到達するも、その後は自己ワーストの6連敗。チームの成績も下降線をたどり「9月に入ってチームに迷惑かけましたし、食い止められなかった。そのせいでBクラスになってしまったと思っている」と責任を背負う。
尻すぼみになってしまった反省を糧に、現在はウエートトレーニングも強化中だ。体重はシーズン終了後からすでに2キロ増えた。長くなってしまったオフを有効に使うため、直球の強さの向上や配球面の学習にも注力しており「もうキャッチャーに頼るだけじゃなくて、自分でも考えながらやっていきたい」と自立心も大いに向上している。
今季の10勝は自己最多タイではあるものの、20年、22年と同様に“11勝の壁”にまたしてもはね返された。「もうローテーションを守るのは当たり前。先発として誰かが一人でも突き抜けないとチームの優勝というのは難しいと思う。キャリアハイを目指して、先頭に立ってやっていきたいと思う」と自らに言い聞かせるように言った。来季は6年目。投手陣をけん引する役割も求められ出した中、決意を言葉に乗せた。
1月には米大リーグ・タイガースの前田健太とともに自主トレを行う予定でもある。昨年も師事した背番号18を継承する大先輩との練習を「去年もいろいろ話ができた。今年も試合を結構見てくれていたので、また話を聞けたらなと思います」と心待ちにした。
その先に見据えるのが大瀬良、床田との競争が予想される開幕投手争い。「開幕投手はその年のチームの顔だと思う。そういう部分はしっかりと、常に持っておかないといけない」。静かなる闘志と芽吹く責任感が森下を初の大役へと押し上げる。