日本レスリング協会は11日、都内で会見を開き、28年ロサンゼルス五輪に向けた新強化体制をお披露目した。新たに就任した2004年アテネ五輪銅メダリストの井上謙二強化本部長(48)は「パリ五輪は金メダル8個など日本レスリング史上最高の成績を収…
日本レスリング協会は11日、都内で会見を開き、28年ロサンゼルス五輪に向けた新強化体制をお披露目した。新たに就任した2004年アテネ五輪銅メダリストの井上謙二強化本部長(48)は「パリ五輪は金メダル8個など日本レスリング史上最高の成績を収め、日本の強さを証明してくれた。ロス五輪に向けてはこの記録を超えるべく、各所属との関係を強化して精進したい」と決意表明。3スタイル計18階級のうち、金メダル8個と大躍進した今夏のハードルは高いが、「そこを目標にしていかないと現状に甘んじてしまう。今に満足すると後退につながる」と危機感もにじませた。
また、各スタイルの強化トップである強化委員長は、女子はパリ五輪でヘッドコーチを務めた金浜良氏(57)が続投。男子フリースタイルは12年ロンドン五輪銅メダルの湯元進一氏(40)、男子グレコローマンスタイルは12年ロンドン五輪代表の松本隆太郎氏(38)がそれぞれ新たに就任する。
フリースタイルの湯元氏は、五輪出場権獲得も高い壁となっている重量級の強化策として、海外強豪国に出向いての強化合宿プランを提唱。また、グレコローマンの松本氏は「日本国内で国際大会をできれば、それを見たジュニア世代が(自分も)活躍したいという憧れになるのかなと。海外に行くのも大事だが、国内普及のためにも国内で国際大会もできたら」と青写真を描いた。
追い風も吹いている。今夏、パリのマットで日本代表が衝撃的な強さを誇示した影響は大きく、大会後から海外の強豪国やトップ選手が日本に来て実業団や大学の練習に参加する事例が増え、今後に向けてもオファーが殺到しているという。
井上強化本部長は「円安の影響もあるが、間違いなくパリ五輪の結果を受けて、日本に来て練習したいという海外選手が増えている」と背景を説明。「今、海外の選手が日本(の各チーム)で練習してくれている。これを(次は)海外選手を受け入れた全日本との合宿を試みて、日本国内で強豪選手を集めた強化合宿を日本でできれば若い選手に刺激になる。全スタイルでやりたい」と、日本代表合宿でも海外選手と手を合わせるプランも示唆した。