愛知県豊橋市が市中心部の豊橋公園で進めてきた多目的屋内施設(新アリーナ)建設などの計画について、長坂尚登市長は9日、「住民投票というものも選択肢の一つになりうる」との考えを示した。市議会の一般質問で答弁した。 新アリーナ計画について長坂市…

 愛知県豊橋市が市中心部の豊橋公園で進めてきた多目的屋内施設(新アリーナ)建設などの計画について、長坂尚登市長は9日、「住民投票というものも選択肢の一つになりうる」との考えを示した。市議会の一般質問で答弁した。

 新アリーナ計画について長坂市長は契約解除に向けた対応を進めている。この日、市議から、重要な施策で民意が分かれた際の対応を問われ、長坂市長は「課題に対し、市として十分な説明をした上で結論を出していくことが大切」と述べた上で、住民投票の可能性について言及。別の市議が、新アリーナの契約解除を取り消す条件を尋ねた際には「住民投票などがなされたことであれば、その可能性は否定できないと思う」とした。

 契約解除を掲げて市長選で初当選した長坂市長は、就任後、担当部署に解除の手続きに入るよう指示。市は先月、事業者の「豊橋ネクストパーク」に特定事業契約解除についての協議を申し入れた。

 一方、住民団体は今月3日、約13万4千人分の署名を添え、事業の契約継続を求める請願書を市議会に提出した。

 9日の市議会では、一般質問に立った全5市議が、新アリーナ計画について質問。長坂市長は自らの市長選の結果をふまえ、「豊橋公園に新アリーナをつくらない、という民意が示された」として、契約解除の方針について従来の説明を繰り返している。現在、豊橋球場の解体と周辺樹木の伐採工事は中止されている。(戸村登)