今季のセ・リーグは、昨年18年ぶりのリーグ優勝と38年ぶりの日本一に輝いた阪神連覇を推す声が多数を占めたが、結果は首位・巨人に3・5ゲーム差をつけられ、球団史上初の連覇を逃した。2025年、巨人は連覇できるのだろうか。 大きな穴が生まれる…

 今季のセ・リーグは、昨年18年ぶりのリーグ優勝と38年ぶりの日本一に輝いた阪神連覇を推す声が多数を占めたが、結果は首位・巨人に3・5ゲーム差をつけられ、球団史上初の連覇を逃した。2025年、巨人は連覇できるのだろうか。

 大きな穴が生まれる。今季15勝3敗と貯金12個を生み出した菅野が海外FA権を行使し、米大リーグに挑戦する。右腕が投げた156回2/3という投球回を埋めるのは、たやすい作業ではないだろう。

 今年優勝の最右翼と目された阪神は攻撃陣の不振が長引き、連覇を逃した。だが、国内FA権を行使していた大山が残留を選択。今季は打率・259、14本塁打、68打点と納得の数字を残せなかったが、4番の残留がチームに与える影響はとてつもなく大きい。近本、中野、佐藤輝が軒並み昨年から数字を落としながらも2位で踏ん張れた。来季の巻き返しは必至だろう。

 リーグ3位から下克上日本一に輝いたDeNAは、シーズン終盤から弱点と呼ばれていた救援陣の奮闘が目立った。牧、宮崎、佐野、オースティンに代表される打線は強力で、昨季10勝を挙げたバウアーを再び獲得できることになれば、投打両面でリーグトップクラスの布陣が並びそうだ。

 首位から一転、4位にまで滑り落ちた広島は、チーム全体として体力不足に泣くシーズンとなったことは否めない。投手陣では九里が海外FA権を行使したが、マイナー通算27勝のドミンゲスを獲得。打撃面でもマイナー通算104本塁打の外野手ファビアン、同106発の内野手モンテロを獲得しており、成長著しい小園、矢野らとうまくかみ合えば、シーズン終盤まで首位を走った力は決して侮れない。

 ヤクルトは何よりも先発投手陣を充実させることが上位進出には不可欠だろう。チーム防御率3・64はリーグワースト。リーグで唯一2桁勝利を挙げた投手がおらず、吉村と中継ぎ右腕・大西の9勝が最多で、小川、奥川、高橋らの奮起が必要。サンタナ、オスナの両外国人は計算できるだけに、ここにケガからの復活を期す塩見、三冠王の村上、山田、長岡らの力を加えれば、他球団に決して見劣ることのない打線となる。

 球団史上初となる3年連続最下位となった中日は、高橋が12勝4敗とひとりで8個の貯金を生み出しながら、チームは最終的に15個の借金を抱えた。小笠原がポスティングで抜けるだけに、柳、大野、涌井、梅津らの先発投手陣が再びリーグ最強と呼ばれた強固さを取り戻す必要があるが、ドラフト1位で指名した金丸がどれだけ働けるのかにも注目が集まる。打線では移籍初年度は度重なる故障に苦しんだ中田の復活は不可欠で、ここに岡林、村松、細川、福永らが好機で確実に1点を奪う攻撃を繰り返すことができれば、ここ数年の低迷から抜け出すことができるだろう。