阪神の藤川球児監督(44)が23日、甲子園で行われた「ファン感謝デー」の冒頭のあいさつで「来年はここにいるメンバーで必ず勝ちます。みんなでもう一度、一番上を見にいきます」と覇権奪回を宣言した。就任後、初めてファンに生の声を届けた指揮官は「…

 阪神の藤川球児監督(44)が23日、甲子園で行われた「ファン感謝デー」の冒頭のあいさつで「来年はここにいるメンバーで必ず勝ちます。みんなでもう一度、一番上を見にいきます」と覇権奪回を宣言した。就任後、初めてファンに生の声を届けた指揮官は「僕たちの世界では言葉は絶対じゃない。結果が絶対」と有言実行を誓った。

 力強い所信表明だった。「ファン感謝デー」の冒頭、藤川監督があいさつに立った。就任後、初めて虎党に届けられる虎将の生の声。マイクを握る藤川監督に3万8500人の視線が注がれた。

 「新監督に任命されました藤川球児です」

 晴れ渡った秋の空に藤川監督の第一声が響くと、聖地から拍手が湧き起こった。ファンへの謝意、岡田前監督への気遣いを述べた後、来季の覇権奪回を堂々と約束した。

 「来年はここにいるメンバーで必ず勝ちます。みんなでもう一度、一番上(日本一)を見にいきます」

 決して社交辞令などではない。ファンに1年間の感謝を伝える場でもあるが、聖地のグラウンドに立つと思わず本音があふれ出た。イベント後は「やっぱり、あの場所に立って、グラウンドに出て『負けます』なんてことは言えない。本心が一番出るところかもしれない。何のために監督しているのか分からないですから」と話した。

 球団創設90周年を迎える来季、新人監督といえども優勝は至上命令となる。藤川監督も課せられた使命は理解している。そんな決意をにじませたあいさつだった。ただ、言葉よりも重要なものがあると力説した。

 「僕の仕事はメッセージ(を送ること)も大事なんでしょうが、ゲーム(に勝つこと)が一番重要な仕事。僕たちの世界では言葉は絶対じゃない。結果が絶対なんでね。そこに対しては逃げずに真っすぐ、先頭になって向き合っていくのが私の仕事です」

 あいさつでは「人生の岐路を迎えている選手もいる」と国内FA権の行使を表明した大山と原口にも言及した。「結果」を求めるためには欠かすことのできない2人。「ここにいるメンバー」「みんな」という言葉に、残留を願うメッセージを込めた。「選手が思い切ってできるように準備を整えるだけ」。所信表明を現実のものとするために手を尽くしていく。