「卓球・WTTファイナル」(23日、北九州市立総合体育館) 女子ダブルス決勝が行われ、佐藤瞳(27)、橋本帆乃香(26)組=ミキハウス=が、アジア選手権優勝の大藤沙月(20)、横井咲桜(20)組=ミキハウス=との同門対決を3-0で制し、初…

 「卓球・WTTファイナル」(23日、北九州市立総合体育館)

 女子ダブルス決勝が行われ、佐藤瞳(27)、橋本帆乃香(26)組=ミキハウス=が、アジア選手権優勝の大藤沙月(20)、横井咲桜(20)組=ミキハウス=との同門対決を3-0で制し、初優勝した。世界ランキング上位者で争う年間王者決定戦で、国際舞台でも希少となったカットマン同士による異色のペアが涙の世界一に輝いた。

 勢いに乗る同門の若手ペアに対し、熟練のカットマンペアは粘り強く返球しながら、隙あらば攻撃に転じて得点を重ねた。優勝が決まった瞬間、2人で抱き合って感涙。橋本は「大きな大会に出場が決まって、1つずつ試合を楽しもうと思っていたが、決勝まで来たからには絶対に勝とうという気持ちを持っていたので、緊張が解けて泣いてしまった」と感慨を込めた。

 世界ランク上位8組が出場する年間王者決定戦で、同9位の佐藤、橋本組は繰り上がりで出場が決まったが、1回戦から世界1位の孫穎莎、王芸迪組(中国)相手に大金星を挙げ、準決勝でも陳幸同、銭天一組(中国)と中国勢を連破。決勝でも勢いに乗る後輩ペアを退け、カットマンとしては快挙といえる頂点に立った。

 世界トップクラスの攻撃選手を“総ナメ”にし、佐藤は「優勝するチャンスがあるとは思っていたが、本当に優勝できるって信じられない気持ち。実感が湧かない」と感激。「女子のカットマンはトップ選手にはだいぶ少なくなってきているが、楽しんでもらえるような試合ができた。ベテランの域にきているが、諦めずにやり続ければチャンスが来るんだよというのは伝えられた」と胸を張り、橋本も「カットマンは勝てないという印象があったりするが、不利な形でも優勝することができたので、カットマンに少しでも勇気を与えられたんじゃないかな」と笑った。