ボルダリングにはボルダリング用のシューズ、正式には「クライミングシューズ」と呼ばれる専用シューズがあります。ボルダリングを始めてからしばらくは、レンタルシューズのあるジムで借りて感覚をつかみましょう。 ある程度経験を積んだら、上達のために…

 ボルダリングにはボルダリング用のシューズ、正式には「クライミングシューズ」と呼ばれる専用シューズがあります。ボルダリングを始めてからしばらくは、レンタルシューズのあるジムで借りて感覚をつかみましょう。

 ある程度経験を積んだら、上達のためにもマイシューズに切り替えたほうがいいでしょう。クライミングシューズの種類や特徴、初めて購入するときに気を付けるべきポイントや選び方を「L-Breath 御茶ノ水店」の専門スタッフに訊いてきました(監修:L-Breath 御茶ノ水店)。

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専用シューズの必要性とマイシューズ購入のタイミング

 ボルダリングでは、積極的に足を使って登っていく事が重要です。そのためには足でしっかりとホールド(壁に取り付けられた突起物)を「つかむ」必要があります。それを可能にするのがクライミングシューズです。足袋を強化したものとイメージすればわかりやすいでしょう。岩の感覚がつかみやすいラバー製のソールでホールドをしっかりグリップします。

 クライミングシューズは、岩登りに特化した特殊なシューズです。お世辞にも履き心地のいいものではありません。どのくらいのフィット感が必要なのか、どのようなタイプが自分の登りのスタイルに合っているのかをつかむため、慣れるまではレンタルシューズを借りるのがいいでしょう。

 マイシューズの購入は、何度か経験を重ねてもっと上達したいと思った頃でいいのではないでしょうか。マイシューズは、レンタルシューズよりも当然のことながら自分の足に馴染むので、より登りやすくなって、上達の助けになるはずです。

クライミングシューズの特徴・種類

 クライミングシューズは、クライミングが盛んなヨーロッパやアメリカを中心に進化を遂げてきました。レザーのアッパー(シンセティック/合皮のものもあり)、ラバー製のトゥ(つま先)およびソール(底)という作りになっています。

 その特徴をひと言で表すとするなら、タイト(きゅうくつ)。足にぴったりフィットするように作られているからです。以下はクライミングシューズの主な種類と、それぞれの特徴です。

【1】着脱方法の違い(種類)/履き方の違い(種類)

●ベルクロ

 マジックテープの開閉で装着するタイプ。クライミングシューズは足を圧迫するため、休憩時には脱ぐことが多い。着脱の簡単さや調整のしやすさで、ジムでのボルダリングはもちろん、外でのボルダリングやロープクライミングまで、すべてのスタイルのクライマーに愛用されているバランスタイプ。反面、締め込めるポイントが限られているのでより自分の足に合う形のシューズを選びたい。


●シューレース(ひも)

 靴ひもタイプ。つま先近くから甲までひもで細かく締め込み具合を調整しながら、より自分の足の形に添ってフィットさせることが出来るのが最大の特徴。着脱時には、ひもを緩めたり締め直したりといった手間がかかるが、調整レンジの広さと自由度から、長時間履き続けなければならない外のロングルートや山のクライマーに利用者が多い。初心者にもおすすめ。


●スリッパ

 文字通り、甲部分に開閉のパーツが一切なく、スリッパのように足を突っ込んで履くタイプ。着脱の為のパーツや余計な縫い目がないシンプルな構造のため軽量で足なじみがよく、素足に近い感覚で使用できるという利点がある。一方、履いている過程で伸びてきた際に、締め増していく手段がないので購入時のサイズ選びが難しいタイプでもある。


【2】ソールの形状別による種類

●フラット

 ソールがフラットになっていて、登る対象を問わないオールラウンドタイプ。

●ダウントゥ

 つま先部分が下方向に湾曲しているタイプ。細かいホールドやポケットにつま先を引っ掛けやすい前傾壁が得意な上級者向けの形状。

●ターンイン

 つま先部分が親指方向に湾曲しているタイプ。親指を支点にした動きに向く。

クライミングシューズの選び方


 初めてのクライミングシューズは、どのような点に留意して選べばいいのか、専門家に訊きました。取材に協力してくださったのは、アウトドア用品専門店「L-Breath 御茶ノ水店」の斎藤さん。ご自身も経験豊富なクライマーです。「L-Breath 御茶ノ水店」周辺にはボルダリングジムもあり、クライミングシューズの購入の際にアドバイスを求められることも多いそうです。

― 初めて購入される人に、どういった説明をし、どのようなタイプを勧めるのでしょう。

クライミングシューズは、できるだけ小さめに履いた方がシューズの持つ性能をより発揮できることや、シューズのもつ特殊な形状から履いているうちに痛みも感じたりします。ただ、それがストレスになって履くのが嫌になるようではたくさん登れないので、初めての方には長時間履いていられる無理のないサイズを勧めるようにしています。とにかく、たくさん登ることが上達の近道ですので。

― どういったタイプを選べばいいのでしょう。

どれがいいとは一概には言えないのですが、最初の一足としては、なるべくオーソドックスなものを選んだほうがいいと思います。その点から言えば、「ベルクロのフラットソール」になるでしょうか。

― クライミングシューズを選ぶ際の注意点はありますか。

表記されているサイズは、ふだんの靴とはまったく異なります。シューズのタイプやチャレンジしたいルートによっても適切なサイズは変わってきます。ですから履いてみて感触を確かめる必要があります。クライミングシューズは、履いていくうちに伸びてきて自分の足の形に変形してきますので、それを見越した気持ち小さ目のサイズを選ぶのが長く使うコツです。生地素材によって伸び方に違いがありますので、シューズ探しで来店されたとき私たちにお伺いください。詳しくご説明させていただきます。

― おすすめの価格帯などはありますか。

価格帯の主流は1万円前半から2万円程度です。最初は比較的安価なものでも問題ありません。高価格帯の商品は、対象が主に上級者になります。こちらを選ぶのは練習を重ねて上達してからでも遅くありません。

― 最後に初めて購入する人にアドバイスはありますか。

どういうタイプの靴が自分に合うのか知るには場数を踏む必要があります。オーソドックスなものから始めて、徐々に自分の登りのスタイルやルートに合うタイプにシフトしていけばいいと思います。レンタルを利用するのも手です。試しに履いてみることによって、いろいろなタイプの靴を経験できますから。

【取材協力】L-Breath 御茶ノ水店
[住所]東京都千代田区神田小川町2-4-14
[TEL]03-3233-3555
[営業]月~土11:00~20:00/日・祝 10:30~19:30
[公式HP]http://www.victoria.co.jp/l-breath/

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<Text:瀬戸嶋 勝+アート・サプライ/Photo: Getty Images>

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