巨人の交渉権獲得が決まると花咲徳栄・石塚裕惺内野手(3年)は、ようやく安堵(あんど)の表情を浮かべた。「名前が呼ばれた時からすごくドキドキが止まらなくて」。指名を受けたときには会見場に持参していた2本のペットボトルのうち、1本が空になるほど…

巨人の交渉権獲得が決まると花咲徳栄・石塚裕惺内野手(3年)は、ようやく安堵(あんど)の表情を浮かべた。「名前が呼ばれた時からすごくドキドキが止まらなくて」。指名を受けたときには会見場に持参していた2本のペットボトルのうち、1本が空になるほどだった。

巨人が引き当てたことは必然だったのかもしれない。「プロ野球を見る時は巨人戦ばっかりでした」。巨人ファンの家族の影響で、幼い頃から身近な存在だった。宮崎キャンプにも訪れたことがあるほど。石塚自身も物心ついた時から熱心な巨人ファン。21日のCSファイナル第6戦も観戦に訪れ「自分もこういう舞台で試合がしたいなって強く思った試合でした」と心躍らせ、運命の日を迎えた。

憧れの選手は巨人坂本。右打ちの遊撃手としてプロの世界に飛び込む石塚は「ちょっとシャイなところがあって。ちょっと不安なところはあるんですけど、勇気出して話を聞きにいってみようかな」。長らく巨人の正遊撃手として活躍した先輩との対面を心待ちにした。

「星のように輝くような、スター選手になれるように」という思いを込めて、父康直さん(49)が裕惺と名付けた。その名に恥じぬよう、巨人の新たなスター選手になるべく鍛錬を重ねていく。【水谷京裕】

▽巨人水野スカウト部長 もし(金丸を)外した場合は(石塚に)いこうと決めていた。将来的にやってくれる選手だと評価していた。(上位3人が内野手は)二遊間を厚めにしたいという現場の意見があった。流れの中で誰が残っていくかというのは読みづらかったから難しかったが、その中で満足いく指名ができた。金丸は当てられなかったが、それ以外は狙っていたとおりにいけた。