FC町田ゼルビアは2日、9月28日の明治安田J1第32節のサンフレッチェ広島戦でピッチサイドに置いたタオルをペットボトルの水で濡らされた行為について、Jリーグに「要望書」と「お伺い書」の2通の公式レターを提出したことを明かした。このタオルは…
FC町田ゼルビアは2日、9月28日の明治安田J1第32節のサンフレッチェ広島戦でピッチサイドに置いたタオルをペットボトルの水で濡らされた行為について、Jリーグに「要望書」と「お伺い書」の2通の公式レターを提出したことを明かした。
このタオルは、町田が戦術とするロングスローをする上で湿ったボールを拭くために置いているもの。試合中、広島側の複数選手がビニール袋を開けて、中にあるタオルをペットボトルの水で濡らした行為を問題視。この日、強化責任者の原靖フットボールダイレクター(FD)がメディアに説明した。
「1つ目は相手チームが用意した備品に手を掛けるような行為を制限してほしいという全クラブへの注意喚起。もう1つは広島が今回の行為について、クラブとしてどういう見解を持っているのか。リーグを通してその見解を伺うというものです」
広島の複数の選手が水を入れている映像が確認されており、その事実もJリーグ側に伝えている。
町田を巡っては、今季もさまざまなチームがタオルを別の場所に隠すなどし、それを再びスタッフが置き直すといういたちごっこが発生していたが、水を掛ける行為については「さすがに度が過ぎている。看過できるものではない。びっくりしました」。9月30日に文書を提出するに至った。
原FDは「怒りにまかせてやっているものではありません」と断り、今回の提出にあたっては事前に広島側にもJリーグ側にも文書については伝えているという。
ロングスローのためにタオルを置く行為自体は、以前から試合前のマッチミーティングで確認しており、問題視される行動ではない。置き場所についてもレフェリーが走り場所、相手チームのウォームアップエリア、テクニカルボックスから外しているという。
広島戦では実際に、水で濡れたタオルを手にした選手から、手が滑ってロングスローが投げられなかったと“実害”が報告されたという。
水と言えば、FW藤尾翔太がPKの際にボールに水を掛ける行為について世間から否定的な見解があるが、原FDは「ボールは(両チームで)共有しているものなので、レフェリーが取り換えるか、続行するか判断する権利を持っています。しかしタオルはうちの備品なので、それとこれとは話が違います」と冷静に分けた。
1位と2位チームによる天王山とあって注目された中、試合は0-2と町田が完敗している。原FDは「広島がすごくいいサッカーをしていて、歯が立たなかった。完敗だった。それだけにあのような行為をする必要はなかったと思います」。そして「こういう話題でなく、試合で盛り上がってもらいたい」と強調した。
また今回の件について原FDは、黒田剛監督ら現場側とは「あまり話はしていない。クラブの判断で動いています」。5日にホームで川崎フロンターレ戦が控えているだけに「チームは集中しているので、あまり話はしたくなかった」。現場の意向によるものでなく、クラブサイドの行動だと断った。