◆プロボクシング ▽WBA世界フライ級(50・8キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・ユーリ阿久井―同級7位タナンチャイ・チャルンパック▽WBO世界ライトフライ級(48・9キロ以下)王座決定戦12回戦 同級1位・岩田翔吉―同級2位ハイロ・…

◆プロボクシング ▽WBA世界フライ級(50・8キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・ユーリ阿久井―同級7位タナンチャイ・チャルンパック▽WBO世界ライトフライ級(48・9キロ以下)王座決定戦12回戦 同級1位・岩田翔吉―同級2位ハイロ・ノリエガ(10月13日、東京・有明アリーナ)

 WBA世界フライ級王者・ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)が1日、東京・新宿区の帝拳ジムで、2度目の防衛戦となるタナンチャイ・チャルンパック(タイ)戦に向け公開練習。1995年度生まれの選手が5人そろう中、「一番目立った試合をしたい」と意欲を示した。

 同日にWBO世界ライトフライ級王座決定戦でハイロ・ノリエガ(スペイン)と対戦する岩田翔吉(帝拳)とともに練習を公開したユーリ阿久井。この日はシャドーボクシング、サンドバッグ打ち各1ラウンドのみだったが、サンドバッグではキレのあるワンツー、スピード感あるコンビネーション、力強いフックなどパンチを確かめるように打ち込んだ。タナンチャイについては「ムエタイをやっている選手なので独特のリズムがあり、前試合では日本でも勝っていて、自信満々でくると思うので」と今年8月、畑中建人(畑中)に挑戦して判定勝ちし、WBOアジアパシフィック・フライ級王座を獲得した挑戦者への警戒も忘れない。

 国内プロボクシング史上最大級となる7大世界戦を含む10月13、14日の2日間興行では、前WBAスーパー&WBC世界ライトフライ級統一王者・寺地拳四朗(BMB)がWBC世界フライ級王座決定戦(10月13日、クリストファー・ロサレス=ニカラグア)、WBO王者アンソニー・オラスクアガ(米国/帝拳)が初防衛戦(同14日、ジョナサン・ゴンサレス=プエルトリコ)とフライ級戦線も熱い。だがユーリ阿久井は「自分のことで精いっぱい。勝てば、その先の意識はあるけど…。統一戦については、僕はまだ新米(世界王者)なので、もうちょっと勝ち上がってからやればいい」と慎重に話した。

 今回の2日間興行では、ユーリ阿久井と岩田のほか、WBA世界バンタム級王者・井上拓真(大橋)、拓真に挑戦する堤聖也(角海老宝石)、WBO世界スーパーフライ級王者・田中恒成(畑中)と1995年世代のボクサーが5人そろう。これについてもユーリ阿久井は「同世代の選手がいっぱい出て、すごいことだけど、皆のことを気にする余裕はなくて、自分のことで精いっぱい。今回の皆は、(高校時代は)ライトフライ級の選手だったけど、皆、トップ戦線に出ていた選手。その中に、そうでもなかった僕がいるのはうれしい」とここでも控えめ。だが、闘志は誰にも負けてはおらず「たくさん選手が出る中で、一番目立つ試合をしたい」と言葉に力を込めた。

 ユーリ阿久井は岡山のジムを離れて9月2日から10月6日まで帝拳ジムで家族のサポートを受けながら強化を続けた。この日、岡山から駆け付けた守安竜也会長は「1か月ぶりに会ったが調子が良さそう。(減量の影響などもなく)元気ですね。(今年1月に)世界タイトルを取ってから落ち着きが出てきたし、自覚も出てきた。ボクシングでも生活でも。今までとは違う感じがします」と“成長”に目を細めた。

 それでも、アニメ・特撮や映画好きは変わらず。試合ごとにコスチュームなど工夫を凝らしてファンを楽しませる。「岡山に帰ったら衣装の準備とかしないと」と話したが、今回のコスチュームについては「テーマは内緒」とニヤリ。この日、履いていたシューズにはアニメ「ONE PUNCH MAN(ワンパンマン)」の文字とキャラクターの「ハゲマント」の文字が刻まれていた。当日は登場からファンを楽しませて、インパクトの残るファイトで“主役”の座を目指す。

 戦績は29歳のユーリ阿久井が20勝(11KO)2敗1分け、24歳のタナンチャイが25勝(15KO)1敗。

 試合はPrime Videoで生中継される。