◆プロボクシング ▽WBC世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・中谷潤人―同級1位ペッチ・ソー・チットパッタナ▽WBO世界フライ級(50・8キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者アンソニー・オラスクアガ―同級1位ジ…

◆プロボクシング ▽WBC世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・中谷潤人―同級1位ペッチ・ソー・チットパッタナ▽WBO世界フライ級(50・8キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者アンソニー・オラスクアガ―同級1位ジョナサン・ゴンサレス(10月14日、東京・有明アリーナ)

 WBC世界バンタム級王者・中谷潤人(M・T)が30日、神奈川・相模原市のM・Tジムで同級1位ペッチ・ソー・チットパッタナ(タイ)とのV2戦に向けた練習を公開した。

 同じ10月14日に初防衛戦に臨む親友のWBO世界フライ級王者アンソニー・オラスクアガ(米国/帝拳)とともにシャドーボクシング、サンドバッグ打ちを各1ラウンドずつ行った中谷。サンドバッグ打ちでは、様々な角度から力強いパンチを披露した。

 「減量も順調で、実戦練習を多くやれて、順調な調整ができている」と中谷。26日に強化キャンプ先の米国ロサンゼルスから帰国したが、師匠ルディ・エルナンデス・トレーナーの指導のもと、160ラウンドのスパーリングを実施するなど十分な練習を積んできた。帰国翌日の27日、28日と休む間もなく、8ラウンドずつのスパーリングを強行。ペッチは76勝(53KO)1敗を誇るサウスポーで、中谷が左構えの選手と対戦するのは、2019年6月のフィリッピ・ルイス・クエルド(フィリピン)以来、約5年4か月ぶりだが「サウスポーとも数多く実戦練習してきて、いろんな角度のパンチを入れたりしている」という。

 15歳の時から一緒にボクシングを鍛錬してきた仲間のオラスクアガと、世界戦の公開練習を行うのは今回が初めて。「米国で一緒に練習している時の雰囲気のまま、すごく楽しい」とリラックスムードで体を動かせたのもよかったようだ。

 「大事な試合…統一戦に向けてという気持ちは常に持っているので、ここでアピールしたい」という中谷は、ペッチに唯一、黒星をつけたWBA世界バンタム級王者・井上拓真(大橋)も倒せなかった相手に対して「そういう(KO勝ちすること)アクションを起こしていって、結果につなげたい」と気を引き締めた。7月のアストロラビオ(フィリピン)戦では左ボディー一発で初回に沈めたが、今回は「3発くらい、キーになるパンチがある」という。中谷には何度も試合を決めた左ストレートや、昨年5月にアンドルー・モロニー(オーストラリア)を12回で沈めた左フックなど多彩なパンチがあるが、「3つの中には、これまで試合で決めたことのないパンチがある」という。とっておきの“シークレットパンチ”で緑のベルトを守ることになりそうだ。

 ロスでは、ドジャースタジアムに何度か足を運んで、大谷翔平投手の活躍を目の当たりにした。「違う競技ですが、刺激をもらえる存在。日本人選手の活躍は刺激になります」。カブスの鈴木誠也外野手とは所属事務所が同じことからドジャース戦の際には対面を果たしたそうで「話をさせてもらい、刺激をいただきました。いい経験になりました」という。

 日ごとに調子を上げている中谷を見守るM・Tジムの村野健会長は「しっかり仕上がってきている。コンディションは、体重の落とし方など、バンタム級に上がってから、すごく良い。あとはケガに注意するだけ」と期待を寄せた。

 戦績は26歳の中谷が28戦全勝(21KO)、30歳のペッチが76勝(53KO)1敗、25歳のオラスクアガは7勝(5KO)1敗、33歳のゴンサレスが28勝(14KO)3敗1分け。

 中谷、オラスクアガの試合はPrime Videoで生配信される。