◆女子プロゴルフツアー メジャー第3戦 日本女子オープン 最終日(29日、茨城・大利根CC西C=6845ヤード、パー72) 首位で出た竹田麗央(りお、21)=ヤマエグループHD=が3バーディー、1ボギーの70で回り、通算10アンダーでメジャ…
◆女子プロゴルフツアー メジャー第3戦 日本女子オープン 最終日(29日、茨城・大利根CC西C=6845ヤード、パー72)
首位で出た竹田麗央(りお、21)=ヤマエグループHD=が3バーディー、1ボギーの70で回り、通算10アンダーでメジャー2連勝の今季&通算7勝目。日本女子プロ選手権、日本女子オープンの同一年制覇は樋口久子、畑岡奈紗に続く3人目の快挙となった。応援するプロ野球の巨人が28日に4年ぶりのセ・リーグVを果たし、自身もオレンジ色のウェアを着て続いた。年間メジャー2勝で5年シードを得て、初の年間女王に大きく前進。自信を深め、12月に行われる来季米ツアー参戦をかけた最終予選会受験も、10月上旬の締め切りまで熟考すると明かした。
“橙魂”込めて戦った。18番で50センチのウィニングパットを沈めた竹田はペコリと頭を下げ、最高峰のメジャーで優勝した喜びをかみ締めた。「やっと4日間終わった。一番取りたいタイトルだったのでうれしい」。12人目のメジャー連勝、樋口、畑岡に次ぐ「女子プロ」「オープン」の同一年制覇と記録ずくめのVとなった。
ツアー屈指の飛距離を生かしたゴルフで、ツアー最長の全長6845ヤードのコースを制した。2番で同組・山下美夢有(みゆう)に1打リードを許すも、ピンそば30センチにつけた3番のバーディーで再逆転。後半はショットに苦しむも、唯一の2ケタアンダーで逃げ切った。
前夜はホテルで大好きな巨人戦をテレビ観戦した。阿部慎之助監督(45)や大ファンの坂本勇人内野手(35)が涙する姿に「もらい泣きしそうになった」という。「応援するチームが優勝して、自分も頑張ろうという気持ちになった」。最終日はジャイアンツカラーのオレンジのウェアでプレー。一足先に、女子ゴルファー日本一となり「日本一になってほしい」とエールも送った。
今季平均262・23ヤードを誇る飛距離のルーツは野球にあった。竹田は幼少時から兄・有男(ゆうた)さん(23)、弟・征士朗さん(19)とよく野球をして一緒に遊んだ。熊本から宮崎まで、巨人やWBCのキャンプを見に行ったこともある。バッティングセンターにも行き「ゴルフを始めた時(6歳)から、飛距離は出ていた」と、自身も高校まで球児だった父・宜史(たかし)さん(51)は明かした。
4月のツアー初Vから年間7勝の快進撃だ。メルセデス・ランクで400ポイントを加え、年間女王へ独走中。メジャー年間2勝で長期の5年シードを獲得し「米国に行きたいので挑戦するにはいい」と話した。12月の最終予選会についても「ギリギリまで考えたい」と、登録期限の米国時間10月8日(日本時間9日朝)まで熟考予定だが「参加する可能性も出てきている」とした。「いつかは海外メジャーで優勝したい」と、21歳の瞳にはさらに大きな夢も映っている。(岩原 正幸)
◆竹田が達成した記録
▽日本女子プロ選手権と日本女子オープンの同一年制覇 樋口久子の7度(68、69、70、71、74、76、77年)、畑岡奈紗の19年に次ぐ3人目(88年のツアー制施行後では2人目)。
▽メジャー連勝 20年、日本女子オープン&JLPGAツアー選手権リコー杯の原英莉花以来、ツアー12人目(年度またぎ含む)。
▽メジャー2勝目&2冠 21歳180日での2勝、2冠ともに年少5番目。
▽年間7勝 〈1〉10勝 03年不動裕理〈2〉8勝 21年稲見萌寧に次ぐ、歴代3位タイ。
◆米ツアー最終予選会 12月5~9日に米アラバマ州モービルで行われ、翌年の米ツアー出場権を争う。例年、20位以内で一定の試合数が確保され、45位以内に入ればツアーメンバー資格を得られる。すでに岩井明愛、千怜の姉妹が最終にエントリーをしており、10月の2次予選会(15日開幕・フロリダ州)には原英莉花らが出場する。
◆竹田 麗央(たけだ・りお)2003年4月2日、熊本・合志市生まれ。21歳。6歳の時、母の影響でゴルフを始め、熊本国府高1年時の19年九州ジュニアで優勝。1993、94年の賞金女王・平瀬真由美は母の妹で叔母にあたる。21年11月のプロテストに合格し、翌年からツアー参戦。今年9月のソニー日本女子プロ選手権でメジャー初制覇。趣味は野球観戦。166センチ。家族は両親と兄、弟。