大相撲秋場所を制した関脇・大の里(24)=二所ノ関=の大関昇進が25日、日本相撲協会の九州場所(11月10日初日・福岡国際センター)番付編成会議と臨時理事会で正式に決定する。決定後は昇進伝達式が行われ、大の里が決意を示す口上を述べる。大の…

 大相撲秋場所を制した関脇・大の里(24)=二所ノ関=の大関昇進が25日、日本相撲協会の九州場所(11月10日初日・福岡国際センター)番付編成会議と臨時理事会で正式に決定する。決定後は昇進伝達式が行われ、大の里が決意を示す口上を述べる。大の里が能生(のう)中、海洋高時代を過ごした新潟・糸魚川(いといがわ)市で、28日に優勝と大関昇進を祝うパレードを行うことが分かった。

 大関昇進が確実な大の里は伝達式では紋付きはかま姿で、自らの決意を口上で示す。先輩大関たちはファンの記憶に残る言葉で、新たな一歩を踏み出した。師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)は2011年九州場所後の昇進時に「大関の名を汚さぬよう精進」とシンプルな言葉で覚悟を述べた。23日の取材で「これから考える。白紙」と話していた大の里の口上に注目が集まる。

 “第2の故郷”が、門出を盛大に祝うことが決まった。秋場所優勝と大関昇進を受け、中学、高校6年間を過ごした新潟・糸魚川市が28日にパレードを行うことが判明。複数の関係者が明かした。新大関の初仕事の一環で、自身と幕内・白熊(25)=二所ノ関=ら同校OBの関取4人が描かれたラッピング電車「えちごトキめき鉄道」のお披露目式に参加する。その後、糸魚川駅から道の駅「マリンドリーム能生」35周年イベントへの移動時にオープンカーでパレードする予定だ。

 大の里は同市について「新潟に来る前は目立つ存在ではなかった。この6年がなかったら今のような力士にはなっていない。育ててもらった」と感謝の気持ちを口にしている。夏場所で初優勝した後の7月には、故郷の石川・津幡町で約800メートルをパレード。約2万5000人と喜びを分かち合い、2度目の優勝と大関昇進へとつながった。人口約4万人の糸魚川市からも力をもらえそうだ。

 この日、茨城・阿見町にある二所ノ関部屋では関係者の出入りも少なく、取材対応もなかった。新大関・大の里がいよいよ誕生する。(山田 豊)

 ◆大関昇進伝達式の流れ

 25日に臨時理事会が開催される。正式に昇進が決まると審判部の使者が部屋に向かう。部屋では師匠、おかみさん、後援者らとともに出迎え、力士が口上を述べる。