「阪神0-1巨人」(23日、甲子園球場) 巨人が阪神との直接対決第2ラウンドで1-0返しの勝利。七回、試合を決めたのは坂本勇人内野手が放ったタイムリーだったが、ベンチで誰よりも勝負に熱く絶叫していた選手がいた。 それは丸佳浩外野手。歓喜に…

 「阪神0-1巨人」(23日、甲子園球場)

 巨人が阪神との直接対決第2ラウンドで1-0返しの勝利。七回、試合を決めたのは坂本勇人内野手が放ったタイムリーだったが、ベンチで誰よりも勝負に熱く絶叫していた選手がいた。

 それは丸佳浩外野手。歓喜に沸くベンチで誰よりも声を張り上げ、坂本をたたえていた。広島次代に3連覇を経験し、巨人に移籍後も連覇を成し遂げ、5年連続で優勝の美酒を味わったベテラン。熾烈(しれつ)を極めた直接対決で坂本がタイムリーを放った意味が痛いほど分かっていたのだろう。どれだけ大事な1点をもぎとったか-。丸が雄たけびをあげた姿を考えればよくわかる。その姿に若手選手も感化され、勝利の流れにのっていった。

 前カードの22日・広島戦で八回に浅野が痛恨の適時失策を犯した際には「下を向くなよ」と声をかけていた。阿部監督が9月に入って「困ったときのベテラン頼み」と語っていたように、第1戦では起用した長野が2安打。そして第2戦で坂本が代打で決勝適時打を放った。

 経験豊富なメンバーがチームの勝利を最優先に考えて行動する、そして結果を出す。巨人の野球を振り返ると「組織」という印象が強く、原前監督が「われわれは巨人軍であってね。個人軍ではないんだよ」と語っていたように、勝負がかかったゲームほど団結して戦うイメージだ。ベテランほどその大切さを知っているからこそ、阿部監督の「困ったときのベテラン頼み」だったのか-。それを象徴するかのような甲子園での2ゲームだった。