「ウエスタン、阪神7-8ソフトバンク」(24日、鳴尾浜球場) 阪神の秋山拓巳投手が引退試合に登板し、1回2安打2失点だった。 先頭のダウンズは三ゴロに打ち取ったが、戸井が一塁へショートバウンド送球。これを原口が好捕し、秋山も思わず笑みを浮…

 「ウエスタン、阪神7-8ソフトバンク」(24日、鳴尾浜球場)

 阪神の秋山拓巳投手が引退試合に登板し、1回2安打2失点だった。

 先頭のダウンズは三ゴロに打ち取ったが、戸井が一塁へショートバウンド送球。これを原口が好捕し、秋山も思わず笑みを浮かべた。続く三森には二塁打を浴びたが、笹川は一ゴロ。2死三塁となり、リチャードには136キロの直球を豪快な2ランを浴びた。これには苦笑い。最後は石塚を中飛に仕留めた。

 登板後には岩貞から花束を渡され、涙を浮かべた。秋山らしく声を上げながらの力投。ベンチでは福原投手コーチと言葉を交わす場面もあった。スタンドからは大きな拍手が送られた。

 秋山の引退試合が行われるため、1軍の投手陣も続々と鳴尾浜へ集結してきた。岩崎や桐敷、石井ら中継ぎ陣に加えて、朝から甲子園で投手指名練習に参加していた村上と高橋も観戦に訪れた。同学年で同期入団の原口は先発出場。秋山の勇姿を多くの選手が見届けた。

 秋山は終了後に胴上げされ、記念撮影では再び涙を流した。スピーチでは「私、秋山拓巳は今年を持って阪神タイガース一筋15年でユニホームを脱ぐことを決めました。ここまで辛い思いというのがほとんどで、いい思い出っていうのは非常に少ないですが。本当に監督、コーチ、スタッフの皆さん、そして先輩の選手、後輩の選手に恵まれて、15年間本当に楽しく、一度も諦めることなく、楽しく現役生活を送ることができました。

 ただ一つ、やっぱり悔いが残ると言えば、この15年間いつも当たり前のようにやってきた野球というのが明日からなくなるってことと。やっぱりファーム生活が長かったので、後輩たちと一緒にいっぱい汗かいて、楽しく笑いながら、時にはファームで燻ってる選手たちを見て、自分自身の歯がゆい気持ちを持ちながら、時にはすごく厳しい言葉を後輩たちに投げかけていたと思いますが、それもやっぱりみんなに頑張ってほしいという気持ちで。みんな1軍で活躍してほしいという気持ちでいっぱいきつい…(涙)。いっぱいきつい言葉を投げかけてしまっていましたが、明日からは一緒に練習しながら、そういう言葉をかけられなくなるっていうのが本当にすごく寂しいなと感じています。

 僕自身、大した記録もなければ、成績も残していませんが、こだわり続けたピッチャーとして15年間、最後まで諦めずにここまで頑張ってこれたことはすごく誇りに思っています」となどと語った。