女子プロサッカー「WEリーグ」の2024~25年のリーグ戦が開幕し、アルビレックス新潟レディースの新潟県内での初戦が21日、十日町市で行われる。一足先にスタートしたカップ戦は初戦こそ落としたものの、その第2戦と長野でのリーグ戦の開幕試合の…

 女子プロサッカー「WEリーグ」の2024~25年のリーグ戦が開幕し、アルビレックス新潟レディースの新潟県内での初戦が21日、十日町市で行われる。一足先にスタートしたカップ戦は初戦こそ落としたものの、その第2戦と長野でのリーグ戦の開幕試合の直近2試合は、18歳の新戦力が躍動、勝利を収めた。チームは「本気でタイトルに挑む」をスローガンに、一丸となって長いシーズンに臨む。

 4季目を迎えたWEリーグは、「クラシエカップ」とリーグ戦が並行して行われる。カップ戦の2戦目となるマイナビ仙台戦は、7日にデンカビッグスワン(新潟市)で行われて1―0で勝利し、通算1勝1敗とした。

 試合は後半26分、途中出場のFW田中聖愛(せいら)が巧みなドリブルでゴール前に持ち込み、詰めていたMF下吉優衣が左足でプロ初ゴールを決めた。

 15日のリーグ戦の開幕試合は、AC長野パルセイロ・レディースとの「信越ダービー」となった。1―1で迎えた後半44分。下吉のコーナーキックに、走り込んできた途中出場のFW那須野陽向(ひなた)が右足で合わせ、決勝点を挙げた。田中、下吉、那須野はいずれも昨季途中に加入の18歳だ。

 昨季のリーグ戦で、新潟は13勝7敗2分け。12チーム中、過去最高の4位だったものの、目標としていた「3位以内」には届かなかった。

 2季目の橋川和晃監督は、7月の新体制発表の会見で「自分たちの限界を超えることにチャレンジする。バージョンアップしてタイトルに挑みたい」と決意を語った。

 課題は、攻撃力だ。昨季、失点は上位3チームと大きく変わらないが、得点は26点で、1位三菱重工浦和の55点、2位INAC神戸の39点、3位日テレ東京ヴの47点に、大きく水をあけられている。

 シュート数が圧倒的に少ないためで、橋川監督は、絶え間なくゴール前にボールを上げる▽相手守備を揺さぶるようにボールを動かす▽自分たちからボールを奪いにいく、の3点をポイントに挙げた。

 チームには今季、大宮から元日本代表のDF有吉佐織が加入。守備力の高さは織り込み済みだが、積極的に攻撃に参加する姿が目立つ。有吉は「前の選手がいい形で(ゴール前で)ボールをためていてくれるので、後ろから上がっていける」とすっかり新潟の攻撃スタイルになじんだ様子だ。

 主将は昨季に続き、MF川澄奈穂美。11年のワールドカップを制した日本代表の中心メンバーで、INAC神戸でも多くのタイトルを手にした。川澄は取材に「キャリアのある選手が持ち味を出し、若手がよさと勢いを発揮。そのバランスがこのチームの強みで勝ちにつながっている」と手応えを口にした。

 C大阪ヤンマーとの対戦となるリーグ戦のホーム初戦は21日正午、十日町市の「クロアチアピッチ」でキックオフの予定だ。(久保田正)