陸上女子やり投げでパリ五輪金メダリストの北口榛花(26)=JAL=が16日、今季の試合出場を終え、羽田空港に凱旋(がいせん)帰国した。8月に日本女子のトラック・フィールド種目で初の五輪金メダルを獲得し、今月14日には最高峰シリーズのダイヤ…
陸上女子やり投げでパリ五輪金メダリストの北口榛花(26)=JAL=が16日、今季の試合出場を終え、羽田空港に凱旋(がいせん)帰国した。8月に日本女子のトラック・フィールド種目で初の五輪金メダルを獲得し、今月14日には最高峰シリーズのダイヤモンドリーグ(DL)・ファイナルで日本勢初の2連覇を達成。帰国会見では森永製菓から“ハイチュウやり”をプレゼントされるサプライズもあり、笑顔満開だった。
パリ五輪で日本中を沸かせたヒロインが、日本に戻ってきた。約2カ月ぶりに帰国した北口は、ゲートで花束を持ったJAL職員に祝福された。「帰ってきました!応援ありがとうございました!」と笑顔で感謝。記者会見では「今シーズンを無事に終えた達成感が大きい」と安堵(あんど)の表情で快挙を振り返った。
パリ五輪では金メダルに輝き、閉会式で旗手を務めた。その後は拠点のチェコに戻り、14日にDLの年間上位者で争うファイナルに出場。最終投で今季自己最高を出して逆転し、日本勢初の2連覇を達成した。
この快挙を祝うべく、サポート契約を締結する森永製菓から特別な“ハイチュウやり”をプレゼントされた。実際のやりと同じ長さの筒の中一杯に、同社の人気菓子「ハイチュウ」が詰められており、北口は「ふはははは!」と爆笑した。ポーズを決めながら「(本物の)やりより重いです」と報道陣を笑わせた。
今後は「充電期間に入りたい」とオフに入るが、既に新たな練習プランがある。「来シーズンへ、自分の原点を大事にした方がいいと思う。(昔やっていた)水泳やバドミントンを何らかの形でトレーニングに結びつけていけたら」と原点回帰で成長の鍵を探る。
目標は「アジア記録(67メートル98)を更新したい」と掲げた。1年後には東京・国立競技場で世界選手権が行われる。2連覇がかかる大舞台へ「日本のみなさんの前でしっかりいい投てきができるように、戦略的なスケジュールを立てたい」と意気込んだ。再び“北口スマイル”を咲かせるために、まずは心身共に休息を取る。
◆北口榛花(きたぐち・はるか)1998年3月16日、北海道旭川市出身。旭川東高を経て、日大卒。五輪は21年東京大会12位、パリ大会では日本女子のトラック・フィールド種目で初の金メダルを獲得。閉会式では旗手を務めた。DLで22年に日本勢初優勝。23年のDLファイナルを初制覇し、24年に日本勢初の2連覇を達成した。世界選手権は22年に日本女子投てき種目で初の銅メダル、23年に日本女子陸上界3人目の金メダルを獲得。自己ベストは23年9月に出した67メートル38の日本記録。179センチ。