(14日、第106回全国高校野球選手権大会2回戦 京都国際4―0新潟産大付) 2年生左腕の西村一毅(いっき)さんが、初めての甲子園で完封した。得意の直球とチェンジアップで被安打3、8奪三振。九回の2死満塁のピンチも、最後の打者を伸びのある…
(14日、第106回全国高校野球選手権大会2回戦 京都国際4―0新潟産大付)
2年生左腕の西村一毅(いっき)さんが、初めての甲子園で完封した。得意の直球とチェンジアップで被安打3、8奪三振。九回の2死満塁のピンチも、最後の打者を伸びのある内角直球で空振り三振に仕留めた。
「(直球を)自分で選んで、強い気持ちで投げました。楽しかった」
先発を告げられて「やるしかない」と意気込んだ。「憧れであり、ライバルでもある」というエースで同じ左腕の中崎琉生(るい)さん(3年)が、8日の札幌日大(南北海道)戦で見せた粘りの投球に「負けていられない」と奮い立った。
一方で「自分が3年生の夏を終わらせるわけにはいかない」と重圧も感じたという。
中盤までは球が高めに浮いた。四球を与えて走者を出したが、捕手の奥井颯大(そうだい)さん(3年)らの堅守に支えられ、得点を許さなかった。
今春の選抜大会ではベンチを外れた。その悔しさを胸に、投げ込みを増やして制球力を磨いた。春の府大会、近畿大会、そして、この夏の京都大会と結果を出し、甲子園にたどり着いた。
憧れのマウンドからは、自分のピッチングを見つめる大勢の観客が見えた。声援と歓声が予想以上に大きくて驚いた。
「次も絶対に気が抜けない試合になる。勝ちにこだわりたい」。そう言って、笑顔を見せた。(八百板一平)