阪神電気鉄道株式会社(大阪市)は2日、昨年7月に発表した阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)の内野席を覆う銀傘(ぎんさん)(屋根)の拡張計画について詳細を明らかにした。事業費は約150億円。選抜高校野球大会が第100回を迎える2028年3月に竣…

 阪神電気鉄道株式会社(大阪市)は2日、昨年7月に発表した阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)の内野席を覆う銀傘(ぎんさん)(屋根)の拡張計画について詳細を明らかにした。事業費は約150億円。選抜高校野球大会が第100回を迎える2028年3月に竣工(しゅんこう)する。

 拡張後の銀傘は、内野席と外野席の間に位置するアルプス席の約7割を覆う。鉄骨が観戦時の邪魔にならないよう、アルプス席外周に新設する6階建ての建屋で銀傘を支える。

 11月から事前準備に入り、プロ野球・阪神の新室内練習場やクラブハウスと球場をつなぐ通路の架け替えを行う。本格的な工事が始まるのは来年11月。阪神の日本シリーズ進出を想定し、毎年11月~翌3月に集中的に工事する。そのため、オープン戦は一部の試合を別球場で開催することになる見込みだ。

 毎年12月に開催される全日本大学アメリカンフットボール選手権決勝「甲子園ボウル」は開催する方向で調整している。

 この日、球場で記者会見した同社の谷本修取締役は「猛暑など、環境の変化に柔軟に対応する必要がある。拡張で、高校野球文化を次の時代に引き継いでいく」と説明。同席した日本高校野球連盟の宝馨会長は「銀傘拡張は、ブラスバンドを含めた学校応援団、観客の暑さ対策、雨天への対応ですばらしい計画。ご尽力に感謝申し上げる」と話した。