昨年に続いて創成館が優勝し、46チーム(55校)の頂点に立った第106回全国高校野球選手権長崎大会。敗れたチームの監督が試合後のミーティングで選手たちに贈った言葉を振り返る。  清峰・入江文和監督(7月29日決勝、創成館4―0清峰) 思い…

 昨年に続いて創成館が優勝し、46チーム(55校)の頂点に立った第106回全国高校野球選手権長崎大会。敗れたチームの監督が試合後のミーティングで選手たちに贈った言葉を振り返る。

 清峰・入江文和監督(7月29日決勝、創成館4―0清峰) 思い通りにいかないこと、思い通りにプレーできないこと、苦しいことが多い1年だったと思う。夏に向けて、チームで一体感を持って戦おうとやってきた。勝ち進むごとにチームとしてまとまって、成長を感じることができたし、うれしかった。自信を持って、野球を楽しんで、笑顔でやれていたことが満足です。ただ、満足ということで、俺の中に隙があって、こういう結果になってしまったのかもしれない。だけど、決勝戦で、勝ち上がれば勝ち上がるほど、ワンプレーの重みは増していく。これからの1、2年生がその重みを考えて取り組んでもらいたい。うまくいかないことが、成長するきっかけになる。負けて悔しい気持ちが人を強くする。3年生は野球を終える人も続ける人も、この悔しい気持ちを原動力に頑張ってほしい。

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 瓊浦・谷口智章監督(7月22日、瓊浦3―7清峰) 君たちを信用してメンバー選考した。自信を持って出したと思う。これで負けたら仕方ない、そういう気持ちが大きいかな。3年生よくがんばった。高校野球はこれで終わりですけど、君たちの進路、これからの人生がありますので。終わったことは仕方ない。しっかり次に向けて歩かなければならない。切り替えて、というのも無理な話かもしれないけど。しっかり、高校生らしく卒業の日まで生活してもらえれば。本当、お疲れさま。

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 島原工・苑田恒仁監督(7月21日、長崎総大付9―2島原工) ゲームとしては負けです。1人にしか投げさせられなかった、こっちの責任でもあるし、うちの体力不足でもある。全力でやるからこそ悔しさは出ます。3年生はかなり伸びました。そこは、自分に拍手を送ってあげてください。よくがんばった。普段はあんまりほめないけど。1、2年は悔しさを忘れないように。

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 佐世保北・木寺賢二監督(7月21日、佐世保北1―7大崎) 負けるのはね、悔しいよね。でも、いいところいっぱいあったよね。しびれたよ。暑い中、投球にも気持ち入ってたし、いっぱい、いいプレーを見せてもらいました。1、2回戦の戦い方ってすごかった。ベストを考えて、雰囲気作って、それをやれたことはよかった。お前たちが一緒にみんなでつくった野球なんで。3年生はうまくいかんこといっぱいあったけど、よう成長した。次へがんばるしかない。

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 諫早・大小瀬格二監督(7月19日、諫早0―7長崎商) 高校野球は人生の中でひとつのピーク。この先もいろいろピークがある。もちろん大学受験もそう。就職も結婚も。そこで自分らしく人生を切り開いていけるように、チャンスをつかめるように、学力をつけないといけない。選べる立場にならんといかんとです。野球でがんばった分をペンに持ち替えてね。早めに進路が決まった人は練習の手伝いに来てくれるとうれしい。きょう1日くらいは悔しがって、明日からはがんばろう。

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 上五島・黒江洋樹監督(7月18日、上五島0―7長崎日大) 県大会全勝のチームに対して、最後はしょうがなかったけど、そこまでの展開とか、最高だったんじゃないですか。今まででいちばん……。言い方悪いけど、ものすごくへたくそなお前たちからスタートして、すごく頑張った3年間だったんじゃないかな。言うことない。すごく楽しかった。最後の最後まで、本当にありがとう。つらいことが多い3年間だったかもしれませんが、白熱したヒリヒリした試合を最後まで味わうことができて、本当によかった。

 1、2年生は泣くな。悔しかった思いをずっとかみしめろ。まだ力が足りん。来年また生まれ変わったチームで今年の3年が到達しなかったところまで到達する。シード校を破る。甲子園に行く。少ない人数でもできる。また頑張りましょう。

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 長崎鶴洋・西彼杵連合チーム・坂下透監督(7月17日、島原工6―1長崎鶴洋・西彼杵) これで3年生と野球ができないと思うとさみしい。合同チームなりにいい体験ができた。将来もいいつきあいができるように祈っている。野球は九回はあると言っていたけど、最後の最後、九回まで粘ってくれて本当、3年間練習してきたかいがあった。新チームからなかなかいい結果がでなかった。最後、勝てはしなかったけど死力を尽くして君たちがプレーする姿は楽しそうだった。3年生にはこれが、公式戦最後の試合になりましたが、野球という競技をいつまでも続けて欲しい。野球は楽しいなあと感じました。3年生ごくろうさん。ありがとうございました。