いよいよ開催が目の前に迫った「パリ2024オリンピック(下記:パリオリンピック)」。世界中が徐々にオリンピックムードに変わりつつある中、今回注目したいアーバンスポーツが自転車競技「BMXフリースタイル・パーク」。本種目は東京オリンピックで正…
いよいよ開催が目の前に迫った「パリ2024オリンピック(下記:パリオリンピック)」。世界中が徐々にオリンピックムードに変わりつつある中、今回注目したいアーバンスポーツが自転車競技「BMXフリースタイル・パーク」。
本種目は東京オリンピックで正式種目に採用されてから2度目の開催となるが、前回の東京大会ではコロナ禍の影響もあり、無観客になるなど異例のオリンピックデビューとなった。しかし今回のパリ大会ではパリ市内でも中心地であるコンコルド広場に特設会場を置き、満を持して有観客の中で2024年7月30日(火)~7月31日(水)の2日間にわたって開催される。
なお今大会には先月まで行われていた「オリンピック予選シリーズ(通称:OQS)」を含め、約2年間にわたり繰り広げられてきたオリンピック予選大会を勝ち抜いた男女各12名が出場。
OQSの男女トップ6に加えて、2022年のUCIアーバンサイクリング世界選手権と2023年のUCI自転車世界選手権の結果、そしてオリンピック開催国枠を元に、全大陸に行き渡るようにして12枠が各国/各選手に割り当たえられる形で、この狭き門をくぐり抜けた者だけに出場権が与えられ、今大会にて新たな歴史に名を残すべく壮絶な戦いが繰り広げられる。
日本人出場選手として世界最高峰の舞台に挑むのは日本のエース中村輪夢
中村輪夢選手 ©︎Naoki Gaman : Japan Cycling Federation
今回唯一パリオリンピックへ出場するのは、BMXフリースタイル・パーク種目にて世界チャンピオンの経験を持つ日本が世界に誇るトップライダーである中村輪夢だ。過去にはワールドカップなどの公式戦をはじめ、「X Games」や「Simple Session」など様々なBMXの世界大会でのメダル獲得という快挙を残し、今回のパリオリンピックでもメダル獲得が期待されている。
2022年のUCIアーバンサイクリング世界選手権で優勝したことからオリンピック出場の切符を手にした彼だが、直前のOQSシリーズではミスもあり、納得のいかない結果となったことから自分自身の課題を見つめ直す時間となったようだ。そんな中で万全の準備をして挑むのが今大会。
中村輪夢のライバルとして立ちはだかる海外選手たち
(左からクリストファー、ジャンジャン、ライリー)
Photo: OIS/Jon Buckle. Handout image supplied by OIS/IOC
彼の前に立ちはだかるのは、ここ最近の国際大会ではほぼ負けなしで絶好調のまま今大会に挑む開催国フランスのスターであるアントニー・ジャンジャンをはじめ、現世界チャンピオンであるキーラン・ライリー (イギリス)、東京オリンピック金メダリストのローガン・マーティン(オーストラリア)など、現在勢いのある選手から、長年世界トップに君臨している11名だ。
おそらく戦いの焦点は、1分間のランの中でミス無しのフルメイクと新技の披露。どの選手が会場を一番沸かす新技をコンコルド広場で魅せるのだろうか。
以下は今大会に出場する中村選手が、大会約1ヶ月前である7月1日に開催された記者会見にて話したパリオリンピックに向けた率直な気持ちだ。
中村輪夢選手のコメント
©︎公益財団法人日本自転車競技連盟/ Jason Halayko
パリオリンピックに向けての意気込みを聞かせてください。
「東京オリンピックを悔しい結果で終えたこともあり、東京大会が終わった時から次の目標をパリオリンピックでのリベンジにしていたので、まず出場が決まって嬉しいです。ただここがゴールではないので、今回こそ良い結果を残して日本に帰ってこれたら良いなと思っています。」
パリオリンピックに対してどんな緊張感がありますか?
「去年あたりではまだ一年あるなと思っていたんですが、あっという間にあと1ヶ月かという風に率直に感じています。ただ今はもう怪我もなく順調にここまで来れているので、あとはできることをパリに行くまでやり切って、大会では自分ができることを出し切りたいと思っています。」
東京オリンピックを終えてから3年を経て、自分の一番進化した部分はどこですか?
「メンタルから身体のことも含めて全部が成長していないとダメなんですけど(笑)
ただBMXはいろんなトリックをしたりしますが、結局はメンタルが一番大事な部分だと思っています。そういう意味でもこの3年間で一番成長した部分はメンタルだと思います。」
パリオリンピックではどんなランを見せたいですか?
「東京オリンピックの時も自分にしかできない技を持っていこうと思って練習していたのですが、それが出せずに終わってしまったので、パリオリンピックでも新技は出したいと思っています。世界で誰もやっていなくて僕にしかできない技をコンコルド広場で決めたいです。新技としてはバックフリップの縦回転をベースにした技と横回転系の技を一つずつ考えています。」
オリンピック最終予選で感じた課題や収穫はありますか?
「結果は全然良くなかったんですけど、その中で色々勉強もできて自分の課題も見つかったので、今はその見つかった課題を詰めて大会に向けて良い調子に持って行けたらと思っています。具体的には1分間のランの構成もそうですが、今まで世界選手権や色々な大会で良い評価を得ているときは新技が決まったときだったりもするので、新技をしっかり決めて1分間走り切りたいです。」
オリンピック最終予選で印象に残った選手はいますか?
「(フランスの)アンソニー・ジャンジャンは最近よく勝っていますし、今大会は彼のホームなので、そこで僕が彼を倒したらヒーローになれるんじゃないかなって思っています(笑)」
パリオリンピックでの目標を聞かせてください。
「結果という部分はもちろんなんですけど、まずはやっぱり自分のことに集中して、自分のできる1分間を走り切るのが一番大事だと思っています。その上で自分のベストランを走りきれば結果もついてくると信じてやっているので、まずは自分のベストランに集中して走り切りたいです。
出場予定選手一覧
BMXフリースタイルパーク男子
全12名(順不同)
1. アントニー・ジャンジャン (フランス)
2. キーラン・ライリー (イギリス)
3. マーカス・クリストファー (アメリカ合衆国)
4. グスタボ・オリベイラ (ブラジル)
5. ジャスティン・ドーウェル (アメリカ合衆国)
6. マリン・ランテス (クロアチア)
7. 中村 輪夢 (日本)
8. ローガン・マーティン (オーストラリア)
9. ヴィンセント・レイゴニー (南アフリカ共和国)
10. ホセ・トーレス (アルゼンチン)
11. ジェフリー・ウェーリー (カナダ)
12. エルネスト・ゼボルズ (ラトビア)
BMXフリースタイルパーク女子
全12名(順不同)
1. ハンナ・ロバーツ (アメリカ合衆国)
2. スン・ジアキ (中国)
3. ペリス・ベネガス (アメリカ合衆国)
4. デン・ヤーウェン (中国)
5. ニキータ・デュカロス (アメリカ合衆国)
6. ナターリヤ・ディーム (オーストラリア)
7. イヴェータ・ミキュリコヴァ (チェコ共和国)
8. シャーロット・ワージントン (イギリス)
9. クイーン・サリー・ヴィレガス (コロンビア)
10. キム・レア・ミュラー (ドイツ)
11. ローリー・ペレス (フランス)
12. マカレナ・ペレス・グラセット (チリ)
大会スケジュール:日本時間
-7月30日(火)
20:25~ BMXフリースタイル女子 予選
22:11~ BMXフリースタイル男子 予選
-7月31日(水)
20:10~ BMXフリースタイル女子 決勝
21:44~ BMXフリースタイル男子 決勝
パリオリンピックでの中村輪夢の活躍はテレビ放送やTVerで視聴しよう!
パリオリンピックでのBMXフリースタイル・パーク種目の戦いの模様は、NHKや各キー局での地上波およびBS放送に加えて、TVerでのオンライン配信が予定されている。随時放送情報は更新されているが現時点での国内放送スケジュールは以下の通りだ。
*「2024年7月24日時点、FINEPLAY編集部調べ」
TVer:予選から決勝までライブ配信予定
地上波:7月31日 20:00~ BMXフリースタイル女子・男子パーク 決勝 【日本テレビ系列・NHK BS】
なお各競技の最新情報はオリンピックのウェブサイトや公式アプリでも気軽にアクセスできるので是非ダウンロードしてみて欲しい。日本人選手たちの大活躍を現地や画面の前で一緒に応援しよう!
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