<東北カップ:仙台89ERS89-76秋田ノーザンハピネッツ>◇18日◇決勝◇福島・宝来屋郡山総合体育館
仙台89ERSが前回王者の秋田ノーザンハピネッツを89-76で下し、18年の第7回大会以来2度目の東北王者に輝いた。
出だしから仙台の堅守が秋田を阻んだ。第1クオーター(Q)は20-21とわずかにリードを許すも、第2Qで46-36と逆転。前半だけで「10」ものターンオーバー(ミスによる攻守の入れ替え)を誘発し、試合を優位に進めた。後半も堅守は衰えず、秋田に前を走らせなかった。藤田弘輝ヘッドコーチ(HC=37)は「今年は『もっと勝ちに貪欲に』と、ずっとチームで話している。今日優勝できたのは、クラブとして非常に大きな意味を持つと思います」と語り、藤田体制として初のタイトルをかみしめた。
終始強度が高かったディフェンスには「ディフェンスの強度が、昨日の福島戦より全然良かった。選手たちがステップアップして、ディフェンスからリズムを作ってくれました」と高評価。秋田・前田顕蔵HC(41)も「出だしからしんどかった」とうならせ、藤田HCは「自分たちはやればできるんだというのを確信できた」と喜んだ。
優勝カップを手にした青木保憲(28)主将は「あんまり慣れていなくて…どう振る舞っていいか分からなかった。和気あいあいとした雰囲気が伝わればよかったかな」と照れくさそうに笑った。
だが、喜んでばかりはいられない。中3日で天皇杯2次ラウンドを控えており、その2週間後にリーグが開幕。青木は「A東京さんにファーストパンチを食らわせられるように全力で準備をしたい。皆さんも黄援の準備をしていただいて、一緒にA東京さんを打ち負かしたい」と共闘を呼びかけた。東北カップを熱い黄援で支えてくれたブースターとともに、藤田体制で臨む2年目のB1リーグを戦い抜く。【濱本神威】