<高校野球秋季東京大会1次予選:二松学舎大付8-0帝京>◇17日◇代表決定戦◇江戸川区球場

二松学舎大付の先発、背番号7の祖父江広都外野手(2年)が帝京打線を2安打無失点に抑え、8回コールドで都大会出場に導いた。

初回、3点のリードをもらってマウンドに上がると、「得意のカーブ、チェンジアップが今日は決まらなかった。でも、相手が打ち損じてくれた」。腕が少し遅れて出てくるフォームで、帝京打線に狙い球を絞らせず、真っすぐを軸に打たせて取った。「いつも通りの投球ができれば勝てると思っていました」。

1年夏からベンチ入りし、今春のセンバツは背番号10、夏は背番号11でベンチ入り。打撃の良さを買われ、今秋は背番号7で外野も兼任。「バッティングは自信がある」とその言葉通り、2-0の初回2死一、二塁から真っすぐを振り切り、左越えへの適時二塁打で3点目をたたき出した。「バッティングはオマケ。ピッチャーの方がいいです」と笑った。

再出発の夏だった。21年夏から4季連続で甲子園に出場していたが、今夏は東東京大会3回戦で敗戦。市原勝人監督(58)は「僕らも保護者も、どこかに甲子園に行けるんじゃないか、という甘えがあった。もう1度、アカを落とそうと取り組んだ」と振り返る。夏休み期間に20試合以上の練習試合をこなした。祖父江は「精神的に強くなりました。今日も、堂々とプレーができてよかったと思います」と、課題だった精神面の弱さを克服し、強豪帝京を封じ込んだ。

3年連続センバツ出場へ。その道の険しさは、選手たち全員が胸に刻んでいる。だからこそ、高みを目指し強くなる。祖父江は目標を聞かれ、「センバツに出ることです」と力強く言い切った。